7.建設業界はレベルの低い利益管理(2002/6/12)
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 6/12(水) 20:49:07  返信も含め全削除
 日本の企業経営の特色は、売上中心の経営で「売上なくして経営なし」という思想が非常に強く作用しており、この経営思想が根強く今日まで承継されている。この経営思想によって売上無限大主義に追い込まれる原因となっている。市場と言う土俵で勝ち抜かなければならない市場経済では当然である。売上無限大主義の思想は、人類の競争心をベースにした本能的行動を前提としており決して間違いではなが、売上無限大主義の大きな課題は、売上が限界に達した時点が倒産の時点となることである。日本の企業経営の歴史は、今日まで売上無限大主義の経営であったことは間違いない。日本的経営の特色である年令型で定期昇給する人件費は、この売上無限大主義を前提に成り立っており、固定費である人件費が毎年増加するのであるから、売上の増加によって対応する方法しかなかったのである。しかし、近年の世界の市場経済の環境変化は、右肩上がりの売上経営を許さない環境にあるから、以前のままの経営で対応する方法は有り得なく無理である。世界市場に早めに参入していた他の産業界は、売上中心の経営から利益中心の経営に切り替えていたのである。その点で建設業界は大きく遅れたことは間違いない。もともと他の産業界も甘い経営管理が行われていたし、決して高度な経営管理とは言いがたかったのであるが、近年の厳しい市場経済の中で利益管理中心の経営に切替え、経営管理レベルが上がってきたのである。近年のグローバル化した市場環境の中で、世界市場が一体化し競争が激化し、地球規模で「一物一価の法則」が作用する時代は、同種製品の品質と価額が同一化して世界市場で流通し始めたため、地球規模の競争が本格化したのである。したがって、企業内部の利益管理を中心に真剣に取り組まなければならないのである。少しの気の緩みでも命取りになりかねない。企業は、常に緊張した利益管理によってのみ継続ができる時代となったのである。これに対して、建設業界は幸いにも国内だけの限定されたエリア内の「弱」競争環境の市場で守られ、グローバルな競争市場の影響を受けなかったのである。そのため厳しい利益管理が必要なかったかもしれない。それがレベルの低い実行予算程度の利益管理が常態化した理由であろう。(阿座上洋吉)


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