12. ISOの欠陥制度を斬る
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 7/19(金) 18:49:38  返信も含め全削除
 厳しい市場経済化の下では安易に取得したISOが機能しないどころか、大きなマイナス要因になっている建設業者が多い。それは、製造業に比較して生産工程等が馴染まない点が多いことも起因している。その点で建設業界独自の管理システムを工夫しなければならない。しかしその点より大きな課題はISOに対する勘違いが多過ぎることである。ISOは営業上の優位性を得る為にだけに取得するのではなく、通常の合理的な品質管理に必要な道具として取得するものでなければならない。したがって、ISOを取得したことによって、コストが必要以上にかかったり、現場担当者がISOの資料作りに毎日残業しているような企業は、失敗していると考えなければならない。品質管理はISOによって管理をすることが時代の要請であるから取得すべきである。しかし、あまりに営業上の優位性に重点を置くため、形式的でたてまえだけの書類上のISOを取得する傾向が強くなっている。これは偽者であって本格的市場経済に通用するものではない。名刺に印刷するだけのISOは絶対にしてはいけない。発注者に公開する品質管理資料と実質運用のISOは当然一致しなければならない。現実には、あまりにも形式的なISOで良いと勘違いしている建設業者が多いことは残念なことである。ISO制度に対する業界の勘違いとISOの関係機関によって、業界が自ら多くのお発注者を騙すような状況にしたことは不幸なことである。ISOは決して書類だけの形式的取得を目的とした制度ではなく、品質管理の実質的内容が重要であることを忘れてはならない。極端な表現をするならば発注者のためよりも、自社企業の品質管理のノウハウを自社企業に在庫できるチャンスであり、自社企業の品質管理システムの社内財産を作る意識で構築するものである。次回はISOパート2を連載します。(阿座上洋吉)

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