18.市場経済における談合の生い立ちと必然性
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 9/4(水) 22:57:18  返信も含め全削除
1.市場経済と競争原理の仕組み
 経済の活動を原則的に自由化し、規制を設けない自由主義経済を市場経済という。この市場経済は競争を前提として成り立つ仕組みであるが、競争による種々の歪みが現われる欠陥を抱えている。競争の要因は我々のDNAに書き込まれた競争心の遺伝子が作用するのである。DNAには競争のための設計図が書き込まれている。人類ばかりではなく全ての生命体に組込まれた競争心の設計図によって発現する行動は、他人に負けないために喧嘩もすればイジメもする。しかしDNAによる競争心の発現で進化したし、その原動力であるから人類にとって重要な遺伝子である。競争原理を消し去ることはできないのである。市場経済はこの競争原理をベースにした弱肉強食の市場を構築している。

2.競争原理の利点と欠点
 競争原理は良い作用もあるが悪さもする。ほどよい競争は効率や生産性の向上に作用する利点を持っている。しかし、競争が強く作用し限度を越えると過当競争によるダンピングや手抜き工事等になって現われ、多くの悪い面を持っている。市場経済の競争は、ほどよく作用することはむしろ稀であり、激しく作用することの方が多い。しかも競争が際限なく拡大し連鎖するため、その影響は非常に大きいのである。このように競争は過剰に反応する場合が多く限度を越えて作用する仕組みを内包している。市場経済は財産による喧嘩でありイジメの現象である。これが肉体や精神の問題として起きれば喧嘩でありイジメでなる。

3.人類の知恵として談合が出現した
 喧嘩やイジメの解決策はルール化することであり、ルールによって喧嘩やイジメはスポーツとなり問題が解決する。財産による喧嘩やイジメを少なくするルールはいまだ見つかっていない。そこで人類の知恵として水面下で暗黙の了解されたものが談合や官製談合である。財産競争を完全無競争化したものが共産主義の計画経済であり、政府による完全な官製談合といわれる割付は共産圏の手法であった。しかしDNAの競争原理を無視した旧ソ連や旧中国の無競争の大実験は生産性の問題を解決できず失敗したのである。神の摂理に逆らったのである。(阿座上洋吉)

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