46.本格的産業空洞化の恐ろしさ
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 3/19(水) 20:11:02  返信も含め全削除

1.産業空洞化の恐ろしさを知るべし
 日本は高度成長期には製品の質、量、価格に競争力があったからこそ高度成長ができたし、競争力によって経済大国にもなったのである。当時の日本の産業界は国民全員を豊かにするだけの競争力があり、その競争力が大きな力をもっていた。特に製造業のパワーは地球規模で発揮するだけの力をもっていた。現在の中国の競争力に似ていたのである。然るに現在の日本の状況は一変し、中国にその競争力が移転したとみても過言ではない。この点を日本人はもっと真剣に認識しなければならない。当時の日本製品は良質で低価格だからこそ世界市場から歓迎されたのであって、決して高いものを生産していた訳ではない。その当然の結果として高度な成長をすることができたのである。しかし今日の日本の生産現場は、品質は良いが賃金が世界一となったため、あまりに人件費が高過ぎるのである。これでは世界市場の中でもっとも競争力を失っている状態となってしまった。自動車産業に見られるように海外生産の日本車の逆輸入する状態が増えてくる可能性が出てきている。エリアレス化した世界市場の恐ろしさである。

2.過去の蓄積財産で食いつなぎの日本
 島国であった日本の地理的条件や、外国との取引が商社による代理店契約方式によって、新規に輸入のバイパスができにくい環境があったため、外国製品が商社によって高い値段に設定され日本の市場で販売されていた。この代理店契約が日本の文化的規制であると海外で指摘されていた。それが近年のエリアレス化現象によって多くのバイパスが出来上がり、良質で安い外国製品が一挙に洪水のようになだれ込んできた。今日の世界経済の環境は国の境界線がなくなり、国という障壁がなくないオープンになってしまったのである。そのため良質な外国製品が日本市場にあふれることは当然である。これは単なるデフレと言うべきではない。日本の工場は海外に生産拠点を移さなければならなくなり、産業の空洞化が本格的に進んできた。もはや日常生活の生産物はほとんどが輸入される時代となったのである。そのため高度成長期時代に蓄積した財産で当分は食いつなぎをしなければならない状態になったのである。いよいよ日本は本格的大失業時代入るであろうし、失業状態も地球規模で平均化するであろう。

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