51.サービス化社会の経済的特性
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 4/23(水) 20:19:19  返信も含め全削除

1.物社会の終焉とその経済状況
 物社会が終り消費者の関心ごとは物質的豊かさから心の豊かさを求め出した。生活が貧しかった時代は物欲が先行するため物社会になり、その物流の拡大によって経済規模が拡大し景気がよくなるのである。消費者による消費が小売業、卸業、製造業、資材業、一次産業へと連鎖し、その間で運送業まで直ちに波及する。運送が活発化すれば道路等の整備の要求が高まり公共投資が要請される。物の消費がこれまで連鎖するのであるから物社会の景気は原理どおりである。然るに現代は物社会が終りを告げており、従来の物社会時代の景気対策等の経済政策が適格に機能しないのである。

2.心の豊かさを求めるサービス化社会
 物社会が終りサービス化社会の到来により経済政策も新しい手法が必要になってきた。物社会は前述のように物の消費が一次産業まで連鎖するが、サービス化社会は関連産業の連鎖が非常に弱い、それはサービスの消費であるからで映画、演劇、絵画の観賞等の文化的行動や旅行、スポーツ、その観戦等の行為は、心の満足を求めるためのサービスの消費であり物以外のものの購入である。井戸端会議も井戸端から一流レストランに場所を移し楽しい意見交換が行われている。これは場所的空間や快適時間空間を購入しているのであって、心を満足させる要因が物以外に求められてきた時代である。

3.サービス化社会の経済的特性
 サービス化社会の経済的特性は、経済の連鎖的反応が乏しく短絡して終了する。サービス化社会の原理的形態とは、主婦Aさんが清掃業のパートとしてBさん宅の清掃に出向いて収入を得たとする。次に主婦Bさんも社会参加を求めてパートとしてAさん宅の清掃に出向いて収入を得たとする。これでは主婦ABの双方の収支は交換状態となり、プラス・マイナスゼロであり収支の増減はない。そのため当事者間では経済的波及効果はゼロである。しかし双方の居住空間はピカピカの快適空間に変わり、AB双方は大満足であり心が大いに豊かになる。この例は極端な事例であるが原理的事例である。物社会の事例と比較すると、サービス化社会は間違いなく経済効果の連鎖は短絡的現象となり、物社会と比較すると経済効果が極端に弱いのである。

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