52.サービス化社会と庶民金融
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 5/1(木) 21:57:22  返信も含め全削除

1.物の拡大社会と高度経済成長
 物社会時代の消費者行動は所得が高くなれば買い物をするし、所得が不足すれば買い物を控える。物社会時代の消費者行動は単純に所得に左右されていた。そのため所得不足を支援する方法として割賦販売方式が考えられ、物に反応する消費者によって物拡大社会を支えたのである。このように物社会時代には所得不足を補う制度として月賦や年賦による物の購入に対して大きく機能した。この時代の消費者は、物を獲得するためのパワーは貪欲で凄まじいものであり、このパワーによって高度経済成長期を支えていた。

2.物社会の終焉と諸費者金融
 物社会の終焉と共に物自体の価値にも変化が現われ、「古物半値の5割引」と言う言葉が流行したとおり、物自体の交換価値が急速に薄れていった。物社会時代の街の個人金融機関は、物の価値を担保にした質屋が個人金融の主流であった。物に価値があったからこそ質草という担保物件に価値があったのである。消費者が物を十分に所有した状態になり、物自体の交換価値が下がる時代に入った。これを成熟化社会と言い、質屋が機能を果たせなくなったのである。物社会の終焉と共に長く続いた庶民の金融機関の質屋も社会から消えていった。多少残った質屋も本来の機能から古物商化してきた。

3.成熟化でサービス化社会の消費者金融
 物社会が終り成熟化したサービス化社会に入ると消費者行動が変化し、庶民の金融機関も質屋からサラ金という消費者金融にも変化が起きた。物社会が終り物の購入代金を支払うのではなく、サービスの代金を支払う時代となったのである。その金額も多額になり消費者のサービス料金の負担が、物の購入代金にまで影響し始めてきた。例えば電話料の支払や旅行代金の支払等で現金払いが多くなってきた。成熟化社会はサービスビジネスが益々拡大する社会であり、物販が進まない時代になってきた。近年の不景気は、成熟化、サービス化、国際化で極安化製品の氾濫等の複合化した要因によるものである。

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