66.共同企業体は合併を促進させるか
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 8/6(水) 23:37:15  返信も含め全削除

1.JVは企業合併を促進させるか
 発注者の意見の中に合併促進させる作用があるのではという意見や、合併させるための準備として機能するのではないかという意見がある。しかしその可能性はむしろ逆に作用している。新潟県の場合は受注するための小細工等悪用に近い実態を考慮して、原則としてJVは認めない。もし合併を前提とした経常JVであれば認めることにしている。このぐらい強い指導力で合併促進を計るのであれば別であるが、通常のJVについては合併につながるものではない。なぜなら、JVを好んで組んでいるのではない。建前上は自主結成となっているが実態は発注者の意図が作用している。しかも出資割合までもその意図が及んでいるため、JV結成当初から構成員の中には不満が絶えないのである。構成員としての共同の意識どころか構成員に不満が蓄積されており実態は正反対の意識となっている。したがって、JVを合併に関連させて意識することは間違いである。本当にJVでなければ施工できない工事があるとすれば別であるが、実際には超大型の工事であっても日本の建設業界で単独でできない工事はないであろう。合併を促進させるのであればJVに関係なく進めるべきである。

2.JV制度悪用による末期症状
 スポンサー構成員(例としてスポンサーをA社で出資割合75%とし、サブ構成員をB社25%とする)のお助けJVなるものがある。A社の経営内容が悪く、しかも施工能力も弱いため、力のあるB社に対して出資割合が25%しかないサブ構成員に全面的に施工をさせ利益分配だけをA社に渡すというJVがある。これをお助けJVという。このような発注形態は、地方自治体にみられるものであるが、建設業経営として力をつけるための手法ではなく、工事利益の分け前だけを頂戴するピンハネ業である。中小企業育成という視点でJVを考えているのであれば、JV工事はむしろマイナス面があまりに多く、利点は数%で欠陥が90数%に及んでいる。これが業界のJVの実態であって、この状態を継続させるならばスーパーゼネコンから中小建設業にいたるまで弱体化させる結果となってしまうのである。

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