68.共同施工方式と分担施工方式の問題点
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 8/20(水) 09:53:43  返信も含め全削除

1.共同施工方式(甲型)の課題
 JVで発注される工事のうち圧倒的に多い発注形態が共同施工方式の甲型である。JVの構成員となる建設業者が数社で共同して施工する方式である。このJVを結成するに当たっては、民法上の組合契約を結んで一つの工事を共同して施工する方式である。共同で施工することによるメリットとしては、発注者の立場では工事を大型化して発注することができるため発注コストを削減をすることができる。建設業者の立場では技術者がJV施工を通じて上位級の高度な技術経験を持つことができる。また発注形態の多様化に対応することができるため、双方にメリットも考えられる。これらの大儀名文によって共同施工方式の甲型が広く用いられるようになった。しかし前述したごとく甲型の共同施工方式には多くの欠陥も持っており、上記の発注コストの削減等のメリット要因は数%に過ぎなく、90数%もの欠陥をもっており問題があまりに多すぎるのである。(90数%もの欠陥についての詳細な理由は別途詳しくは解説する)

2.分担施工方式(乙型)の課題
 一つの工事を分割して施工する分担施工方式の乙型JVには内容的に幾つかの形態がある。一つの大型工事を数社の工区を分けて施工する状態にして一括発注する方式や、また、一つの総合工事を工種別の専門工事業者の分担区分を決めて一括発注する方式等がある。いずれも構成員が自社の担当部分を責任をもって施工する方法である。この分担施工方式は工区割りが比較的容易な工事や、工事の専門施工部分が容易に分割できる場合に用いられる。しかし、工区割り等の分担施工方式にも多くの課題を抱えている。元請企業が担当する工区が適切に区分されていても、下請の特定専門工事部分が工事全体に一貫した施工が必要な場合がある。電気工事や設備工事等で、元請企業が乙型JVで建前では分担施工方式になっているが、下請けの専門工事の部分は、元請構成員全体の専門工事を一貫施工が必要で、専門工事部分の分担施工が難しい工事のため工区割りが馴染まない場合があるからである。これでは形式的には元請が乙型JVであって、下請専門工事はすべて一社施工になるケースがあり、元請段階で工事の配分だけを強く打ち出したに過ぎないのである。

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