75.JV構成員倒産時の恐怖
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 10/8(水) 22:17:42  返信も含め全削除

1.JVは利点を超える大きな欠陥を抱えている
 発注者にとってJV工事は大型で発注することが出来るため、中小建設業者向けに工事を細切れにしないで大型のままで発注することができるため、積算関連の作業時間等の節約や積算コストの低減化を計ることができるメリットがある。また建設業者からみても上位ランクの大型工事に参入できることもできるし、受注の多様化に対応することができるメリットもある。技術者についても技術経験不足による入札資格要件がない場合等を解消する手段として、JVを利用して技術経験をつけさせる場合には、建設業者にとって大きなメリットかもしれない。しかし、これらのメリットの影には大きな欠陥も隠れており、建設業者にとって落とし穴となっている。その影響で建設業者は大きなダメージも受けることも多々あり注意しなければならない。

2.構成員の倒産時の恐怖
 法律があまりにも未整備であり法律上のトラブルが多発している。前述したとおり民法第667条及び第668条の規定を用いてJVを処理しているが、この民法の規定はJVを想定して設けられたものではなく、立法当時は、国際的商取引が未熟な時代であったため、その補完行為の一形態として外国よりの共同仕入等に用いるため設けられた規定である。当時の立法趣旨は外国との臨時で巨額の共同仕入をすることが想定されており、仕入業務の補完事業のための規定である。この規定は今日のような主たる事業の重要な部分を想定して設けた規定ではない。まくまで臨時的な付帯事業を想定したもので、JVが本格的に経常化することを想定したものではない。この未整備の規定をJVに運用すること自体が乱暴なのではないかと考える。この未整備の法を利用するためJVは大きな危険を抱えることになってしまった。例えば、構成員が倒産した場合には連鎖倒産に巻き込まれる可能性が高く、最も注意しなければ倒産運命共同体になる可能性が非常に高いのである。近年は工事量の減少期に入り建設業界の倒産が増えている。JVの構成員が倒産することによって他の構成員に連鎖するわけで、建設業界において将来大きな問題となることは間違いない。

返信する

パスワード

一覧へ戻る】 ※最新の画面を表示するには再読み込みしてください.