77.JVにおけるスポンサーメリット
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 10/22(水) 20:36:15  返信も含め全削除

1.JVにおけるスポンサーメリット
 共同企業体は、数社で構成する共同事業を営む人格なき社団である。JVを構成する企業にはそれぞれ経営状況に特色がある。そのため構成員の中には財務内容が優れ信用力や経営力のある企業から、経営力の弱い企業までが混在した企業集団である。また施工技術にも大きな差が存在する企業が集団化したものである。この企業ごとの経営の格差が取引条件に大きな差となって現われる。そのため建材の購入や重機の購入については構成員ごとに購入単価に差があるのは当然である。例えばA建設の材料購入単価が\1,000であったとし、B建設とC建設の購入単価が\1,300と相違する。これは企業ごとの購入量や支払条件等の相違によって生ずるもので、購入単価に大きな差異が発生する。このような状況下でA建設がスポンサーとして取り仕切る場合に、ABC共同企業体で購入する材料の購入単価を\1,300にして納入させ、A社購入単価\1,000との差異\300がリベートとしてA建設に戻される。このようなことが一般化しており、これをスポンサーメリットという。

2.スポンサーメリットの言い訳
 スポンサーメリットは、スポンサー企業の企業力の差異によって発生するものであり、他の構成員に迷惑が掛かるものではない。スポンサーの企業力として発生する利益はAのものであると主張する。このような主張に対してB建設やC建設は、A建設の企業力であるとして認めている。しかしこのスポンサーメリットは、B建設やC建設とのJVを組んだことにより発生したメリットであり、このメリットは必ずしもスポンサー企業だけのものではない。したがって、B建設やC建設にもこのメリットを享受する権利があると考えるべきである。スポンサーのA建設もこのJVを組んだことにより発生した利益であると認識すべきである。スポンサー企業が独り占めは必ずしも正当とはいえないのである。他業種に見られる共同仕入などでは、共有利益として扱うのは当然としている。

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