84.共同企業体の泣きどころ
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 12/10(水) 23:21:26  返信も含め全削除

1.JV発注見直しの時期
 公共工事の共同企業体の実態について全国で色々議論がされている。ある県ではJV工事は実質的にペーパーJVしかないとし中止すべきであるとの主張がある。ペーパーJVの実態はスポンサーがすべて施工し、他の構成員は利益配分だけを受ける。このペーパーJVは現代における形を変えた談合体質であり、分配金は談合金の性質であるという。これは許される行為ではないとして禁止した県もある。将来の合併を前提としたJVだけを認めている。この違法行為のペーパーJVを正当に施工させるため、構成員企業からの技術者出向をチェックする県も現われてきた。しかし、実態はペーパーJVであるからスポンサー会社の技術者は、他の構成員の技術者が邪魔であり実質的に仕事は与えない。それは当然のことでスポンサー会社の工事管理手法やISO等のシステムが他社と相違するから邪魔になる。システムの違う会社が一緒に施工することはできないし、仮に実行すれば現場は大混乱になるだろう。これでは利益が上がる工事まで赤字工事になってしまう。そのためペーパーJVは施工業者の知恵としての産物として出来上がったのである。

2.ペーパーJVは許さない発注者
 近年、違法のペーパーJVが横行しているため、発注者は違法行為を許すわけにはいかないとして、構成員の技術者現場出向チェックを行う県が出てきた。そのため遠い現場の場合は宿泊費等の費用がかかり、少しの利益分配まで食い潰している。近年は、競争が激しく入札価額も低いため利益が上がらないため利益分配は益々少ない。そこへ技術者チェックで、泣き泣き遠い現場で宿泊するから費用だけが増加する。現場ではスポンサーから工程管理の仕事は与えられないし、出向していても実質的にはペーパーJVである。工事量が減少する中で発注者は出来るだけ多くの業者に工事を配分しようとするが、小型工事までJVで発注するケースがあり、完成工事高の実績にはなるが赤字工事が増えるばかりである。特定JVであろうが経常JVであろうが、実態は以上のごとくペーパーJVである。このような欠陥だらけのJVは中止すべき時期がきているのである。

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