87.大手ゼネコン復権のシナリオ
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 12/31(水) 10:42:58  返信も含め全削除

1.大手ゼネコン復権のキーワード
 ゼネコンは大手になるほど現場の原価計算に関心が薄い。その理由は建設業界特有の現象であるが、要因としては現場の責任者が技術者であり原価計算の素養がないことにも起因している。原価計算は工種別に予算の配分したものが原価と思っている。したがって原価管理も科学的ではなく、工種別に予算を決めて管理することが原価管理であると勘違いしている。これでは工種別予算配分が決まったものが原価であるとなる。現場は決まった予算に見合う成果品を作るという意識であるから、原価管理の思想ではなく予算配分の管理であり、公的機関の予算会計制度と全く同じ思想である。この考え方が下請から孫請へと継承されており、建設業界はすべて予算配分の思想となってしまった。通常の経営管理の思想による原価管理の形跡が全くない。末端の作業現場であれば具体的作業と予算が密着しているため多少の原価管理意識がある。近年の総工事量減少期には大手ゼネコンも科学的原価の発生メカニズムの勉強し、科学的原価管理技術を身につけるべきである。CM業界も建設市場に参入してきた時代であり当然である。CM業界が力不足のうちに本物の工事管理能力を蓄積し、本格的にコストダウンの科学的ノウハウを持つべきである。CM業界は発注者サイドに立ってゼネコンに対して対抗意識をもって建設業界にコストダウンを要求してくるであろう。

2.大手ゼネコン復権のシナリオ
 大手ゼネコンはプロジェクト等の広い意味の営業力を磨くのは当然であるが、発注者ばかりに目を向け過ぎていた。今後は内部の工事管理にも目を向けるべきである。第一に、生産性を高めるための新工法の開発に力を入れるべきで、開発スピードも上げるべきである。第二は、下請等に任せていた専門作業の品質管理システムをISOで蓄積すべきである。本格的ISOは日常進化するシステムであるから、この進化のスピードをアップすべきである。更に工種別に総合的施工時間短縮のノウハウを組み込んだ工程管理ノウハウを企業規範として作り上げることが、新しい大手ゼネコンの企業力であり生き残りの戦略となるのである。

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