97.建設業にコストコントローラの視点
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 3/10(水) 10:57:32  返信も含め全削除
     
1.コストコントロールの知的財産を持つ強み
 商品生産をしている製造業は、世界中の競争相手を意識して生産しなければならないため、常に未知の競争相手が意識の中に存在する。そのためコストコントロールする術を確立しておかなければならない。もし自社を超える競争相手が出現すれば、直ちにコストコントロールの手法等の対応策を検討するが、その対策はコストを科学的に解析してコストコントロールに反映させることが必要なため、競争相手に対抗するシステムや手法の研究が常に継続的に行われている。これはコストコントロールという知的財産の重要性を認識しているからであり、その対応策で生き延びているのである。建設業界のように発注者から受け入れた資金を実行予算という資金の流れの管理を原価管理と勘違いし、本格的コストコントロールの知的財産を持たなければ、製造業では直ちに市場から撤退しなければならない羽目になる。建設業界もこれからは資金配分の管理だけでなく、本格的原価管理手法の勉強をしなければならない時代がきていることを認識すべきである。

2.実行予算が原価管理に類似するための勘違い
 公共工事であろうが民間工事であろうが、契約と同時に請負金額の約三分の一の資金を受け取り、その資金を施工に合わせて消化する道具が実行予算である。そのため予算消化自体を原価管理と勘違いしている。予算会計の手法は官庁における予算消化の制度であって、実行予算は官庁の予算消化の真似である。官出身のOBが建設業界に持ち込んだらしいが、官庁が予算要求し獲得した大事な予算を計画通りに執行することは当たり前であり、官庁用の実行予算制度であり官庁では適切に行われている制度である。この官庁の予算消化の道具が建設業界で取り入れられたことは間違いである。実行予算制度が原価管理に非常に類似しているため勘違いし他のであろうが、近代的コストコントロールの道具は思想と手法が違うのである。近年、本格的原価管理の手法に気がついた建設業者は大きな成果を上げている。この近代原価管理の問題は、不景気や公共工事減少問題とは関係ないことで、建設業界として当然取り組まなければならないことである。

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