100.時間比例費の研究がコストダウンの極意
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 3/31(水) 10:05:25  返信も含め全削除

<この講座で100週目となりました。ぜひ、改革のヒントにしてください。>

1.時間管理には加工費の概念が重要である
 時間比例費についての研究は、工事原価の総額から材料費を除いた加工費の研究でもある。それは時間比例費の大部分が加工費であるからである。工事原価は生産に比例して発生する比例費と生産の進度に関係なく固定的に発生する固定費があるが、ここで問題にする費用は生産に比例して発生する比例費の課題である。1個の生産で発生する比例費は10個生産すれば10倍になる。このような比例費の典型的なものが労務費であるが、この労務費は生産行為を怠っていても発生する費用である。そこで完全に比例費とするためには賃金を出来高払いという制度が必要になるが、しかし生産の形態によってはすべてを出来高払いにすることが出来ない。そこで開発された管理手法が時間管理手法である。それは通常の労務費は時間によって発生する費用であるからである。しかし労務費は生産行為を怠っていても時間比例費のため発生する。この解決法が工程管理と組み合わせた時間比例費の管理手法である。

2.時間比例費は工程管理が重要
 時間比例費を管理するためには工程によって管理する方法以外にはない。工程表によって作業量や作業の手順、一定水準の品質確保の手法等が明示され、具体的作業量が効率よく生産される環境が整備され、この状態の中で時間管理が機能するのである。このように時間比例費の管理が有効に作用するのは工程管理によって支えられるのである。したがって、工程表には仕事のすべてが明示されていることが前提であり、現場で技術者や作業員が考える時間を極力節約し、無駄なく仕事が進行する工程支援の思想がポイントである。時間比例費の管理が有効に機能するには、作業員に対して作業内容等の有用な情報が提供されていなければならない。技術者や監督者の有効な指示指揮も必要であるが、質の悪い情緒的で気まぐれな伝達もあり生産性を阻害する場合もある。ここに現場支援として重要な役割を果たすのが工程管理システムである。

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