104.労働価値説と時間管理
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 4/28(水) 17:21:19  返信も含め全削除

1.ゼネコンの時間管理の無関心さ
 過去の工事実績と工事量によって工事原価を予測する手法が実行予算方式である。繰り返しの確認になるが㎥単価やu単価を過去の実績から社内単価を算定し、それに工事量を乗じて下請工事の契約予算を想定する方式が実行予算である。この実行予算から下請企業の契約金額を値切ることが原価管理であると思い込んでいる業界関係者が多い。そのためゼネコン側では時間管理の必要性をあまり感じていない。当然、時間管理は元請の手を離れ下請の手に渡されるが、下請が独自で時間管理することはかなり難しい。それはゼネコン側の時間管理の無関心さが影響し、下請にとって有効な時間管理ができないのである。

2.外注費に時間管理が重要な理由
 すべての原価の根源は労働の量で決まると言う労働価値説(前項104参照)の視点で整理すれば、外注費についても時間管理が重要であることは言うまでもない。元請の立場だけで見れば下請企業に対する外注費は時間管理の必要性を感じないが、下請企業にとっては時間比例費の発生が原価の中心にあるため重大なことである。建設業界のこれからの課題はこの外注費にあると言っても過言ではない。なぜならゼネコンの時間管理が不適切であれば、時間比例費の発生で下請企業は直接損害を受けるのである。元請として下請企業とは請負金額が契約によって確定しているため、ゼネコンの技術者は下請企業の損益に直接影響を与えているという認識がなく、下請企業が儲からないのは下請企業の管理が悪いのであって、ゼネコン側には何ら責任がないと思っている。下請企業の工事損益は契約後にゼネコンの技術者によって損益が左右することを認識しなければならない。ゼネコンの技術者が下請企業の工事損益の首根っこを抑えているのである。したがってゼネコンの技術者が適切な時間管理をすれば、下請企業に大きな利益をもたらすため、下請企業はコストダウンが進み下請企業は納得した上で請負金額を下げることを承認するのである。その結果、元請としても外注費が抑えられコストが大幅に下がる仕組みを認識しなければならない。

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