105.ゼネコンの役割再検討
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 5/5(水) 11:05:43  返信も含め全削除

1.ゼネコンの技術者の技量が問われる
 ゼネコンは総合工事業であるから、特殊な専門工事業の工事管理ができるわけではない。しかし、総合工事業の役割は、傘下に専門工事業の集団の存在があるから、元請の総合工事業として、特殊な専門工事業を統括する工事管理が本業である。したがって、各専門工事業の工事管理の内容までもある程度は認識して、専門工事業を統括する工事管理が必要である。しかるに一括下請が横行し元請としての工事管理が十分になされていない。専門工事業に対しても工事金額の請負契約だけで工事管理を委任してしまう場合が多い。これでは元請としての工事管理が十分とはいえない。何故なら数種の専門工事業が並行して施工している場合に、元請の工事管理が十分に機能していないと、並行して施工している専門に施工上のトラブルの調整ができない。更に前後の工程との関係もあり、これらの並行した専門工事が順調に進むための工程管理が重要である。この工程管理が専門工事ごとに時間管理を中心に管理されるものが、総合工事業としてのゼネコンの工程管理である。

2.下請企業の苦悩
 下請企業は施工前に工事契約によって工事代金が確定するため、下請企業にとっては施工の手法はある程度決まっても、現場作業の工程については、ゼネコンの指示や前後左右の専門工事の工程との調整があり、自社独自の作業計画どおりには進行できない。この状態の中でゼネコンが総合工程管理のまずさが専門工事業に大きく影響するのである。元請のゼネコン技術者は、下請企業に発注した後の工事管理は下請企業が勝手にやるもので、ゼネコンの外注費に変更がないし心配していない。あとは品質と納期だけが気になるだけである。これではゼネコンとしての工事管理の放棄である。決してゼネコンの悪口を言っているのではない。この工事管理の隙間を狙っているのがCM産業である。CM産業は発注者の補佐役として直接専門工事業の工事管理を研究している最中であり、将来、ゼネコンにとって強敵になる可能性は十分にあり、ゼネコンは総合工事業としての工事管理の役割をもう一度見直していただきたいのである。契約金額を変更がなくても下請企業はゼネコンの上手な工程管理で利益が確保でき、将来は外注費まで下がる可能性がある。

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