117.動力革命と人類の行動革命(その3)
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 8/11(水) 23:46:23  返信も含め全削除

1.人類の行動革命第一期の始まり
 英国による蒸気機関の発明は、それまでの手工業生産の時代から蒸気機関という動力の発明によって、一挙に流れ作業による大量生産時代へ突入した。一方において蒸気機関車という大量の輸送時代に突入し、人類に大量移動革命を引き起こしている。人間と物資が大量に移動する時代に入ったのである。この移動革命によって経済は大きな拡大を遂げている。人間の大量移動は文化や技術といった人間に付随する付加価値が大量に移転することであり、この付加価値移転によって当時の経済は大きく拡大している。また物資の移動による付加価値効果も大きな影響を受けている。それは物の価値の形成によるもので、生産地と消費地の場所的隔たりを埋めることで価値を生み出すため、物資の場所移動を担当する産業として運送業が発展するし、季節の隔たりを埋める産業も現われ保冷倉庫による付加価値産業も出現し一大倉庫産業まで発展している。近年この季節の隔たり産業も地球上の北半球と南半球の季節を利用した付加価値を創り出すのも移動産業が担当している。この逆季節産業の進展は南北大量移動という物資の移動現象であり、経済拡大に大きな影響をもたらしている。

2.人類の行動革命第二期の変革
 米国における大油田の発見から石油エネルギーの時代に入り、ガソリンエンジンという動力革命を引き起こしたが、同時に個人移動の革命を誘発している。勿論、ガソリンエンジンの動力革命はトラックによる物資の大量移動やバスによる人間の大量移動は、蒸気機関車による移動と同様に経済に大きな影響を与えたが、個人移動の道具として成長した自家用乗用車産業は、人類の個人行動を根本から変化させてしまった。大量輸送機関である汽車や乗合バスは、輸送機関の都合に合わせた行動を強いるが、自家用乗用車は自分の意思と都合で移動できる道具であり、個人の自由行動社会へ一気に進んでいった。共産主義国家や独裁国家社会、また日本においても徳川300年の鎖国時代は、通行手形がなければ隣町さえ移動できない地域封鎖社会であった。このような社会と比較すれば、今日の社会は個人が自由に世界を移動できる社会であり、車社会は個人の自由移動社会に貢献し、地球規模で車社会の経済爆発時代と表現できるほどの産業拡大現象を引き起こしたのである。

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