151.実行予算の信者が考えること
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 4/6(水) 13:14:32  返信も含め全削除

1.実行予算の信者は考える
 全国規模の専門の調査機関によって、全国の建設業者が施工した工事原価について実態調査を行っている。この実態調査は細部にわたる調査であり精度の高く、工事原価の全国平均値として統計学的に正しいものである。この工種別等に細分した資料は基準単価として公表されている。俗に工事原価の物価版と言われているものである。公共工事の発注者は、この基準単価に工事量を乗じて発注時の予定価額を算出している。近年の測量技術は向上しており、特殊な事情の現場を除けば工事量の判定は正確に確認することができるようになった。そのため発注者は全国の実勢単価である基準単価に正確な工事量を乗じて算定した予定価額は、正しい実勢価額としての予定金額に利用している。この手法は正しく今後も発注者によって利用される。

2.物価版方式の実行予算
 物価版に掲載された基準単価が正しいと認識されているから、建設業者は自社現場の予定原価として利用できると考える業者がいる。社内単価の算定には、社内で決めた一定の掛率を乗じて算定する方法である。例えば物価版の基準単価が\20,000とすると、これに社内の掛率0.7を乗じて\14,000を社内の予定単価として用いる方法である。一種の概算計算による簡便法ともいうべき計算法である。大手の建設業者がよく用いている。

3.歩掛方式の実行予算
 物価版方式による実行予算の計算法は、概算方式というべき簡便法であるから、大雑把な計算ではなく、より緻密で精度の高い実行予算を求める企業がある。細分化し工種別に自社企業の実績データから算出した社内単価を設定し、正確な工事量に社内単価を乗じて実行予算を算定する企業がある。この方法採用する企業は、更に精度の高い実行予算を作るべく、自社の実績データの収集分析に努力をしている。
 以上、物価版方式や歩掛方式が実行予算に機能するような誤解がある。特に精度が高い歩掛方式を採用している企業は、実行予算の勘違いの信者である。

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