167.必要悪と言われる談合の課題を考える
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 8/3(水) 22:13:23  返信も含め全削除

1.何故、必要悪と言われたか
 談合が行われる原因は、幾つかの要因によって発生する必然性がある。江戸時代から続いてきた談合は、今に始まったことではないが、市場経済の弱点を補うための陰のルールの側面がある。市場経済の弱点とは、競争原理が際限なく作用するもので、無限大に競争原理が作用するため、過度に競争が激化し手抜き工事や品質に課題が発生する。そのため悪と知りつつ水面下のルールを作り出した。通常の生産品であれば完成品についての競争であるから、ダンピングが発生しようが品質が劣悪であろうが、完成品についての争いであるから、ユーザーは品質を了承して購入する。しかし受注生産は生産する前に売買行為となるため、市場の過度な競争は適切さを欠く場合が生ずる。これらを防ぐために水面下のルールを作り上げたのである。しかし、ユーザーの立場で見れば許される行為ではない。しかも近年の一般大衆の発言パワーから見て、水面下の状況が漏れると一挙に袋叩きの情況を呈する。

2.談合から抜けられない入札文化
 長い間、水面下のルールに頼り切った業界は、一部の企業を除いて積算技術の低下をまねいている。発注者の予定価格を探り、談合を繰り返す習慣が身についてしまった。全国の実際原価の実態調査から割り出した平均単価を基準単価とし、これに優れた測量技術による正確な数量を乗じて予定価格算出する。この積算方法は実際原価を予測する方法としては正しい。したがって予定価格を探って予定価格に近い金額で落札しようと努力する方法は、原理的にはユーザーに法外な入札金額を要求するものではない。しかし公共工事の場合は、予算が用意され、その予算が水面下のルールで配分される様は、完璧と言えるほど社会主義の計画経済そのものである。社会主義の計画経済は、国の経済を破綻させた20世紀の大実験は大失敗に終わっている。これを建設業界だけが今後も引きずったままいくことは、市場経済に欠陥があるにせよ、あり得ないことである。建設業界は過去に経験したことのない本格的市場経済に直面している。

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