185.現場共通費の配賦の高度化
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 12/21(水) 12:55:57  返信も含め全削除

1.現場共通費の高度化とは
 これまでの現場共通費に関する配賦計算の解説は、簡便法とも言うべき方法で現場共通費を一括して各現場に配賦する計算方法であった。この場合に採用する基準は、金額基準、時間基準、距離基準、重量基準、面積基準等のデータを基準にして計算する方法である。また数種の基準を組合せによる積数による方法もあり、例えば車両運転時間50時間に運搬重量100トンを乗じた積数5,000時間トンを基準に配賦計算する方法であった。しかし、現場共通費の内容を詳細に検討すると、現場共通費には異質な費用が雑多に混在している場合がある。この場合に現場共通費を一括して各現場に配賦することが無理な場合には、更に適切な手法を考えるべきである。しかし原価計算上注意すべきことは、経済原則である最小の費用をもって最大の効果が上げることが必要であり、如何に詳細に分類し正確度を高めたとしても、人件費等の費用を多大にかけて処理するようでは意味がない。経済原則を踏まえた上で簡便な基準を採用することも仕方がないのである。

2.現場共通費の内容検討
 現場共通費の内容を詳細に分類し検討して、現場共通費の内容が所有する建設機械に関連して発生するものか、車両運搬具に関連して発生する現場共通費であるか、その他の現場共通費に分類されるかを検討し、これらの現場共通費を一括して各現場に配賦する方法が適切ではない場合には、現場共通費を三区分し、機械装置に関連して発生する現場共通費については、機械運転時間法によって各現場の配賦額を計算し、車両運搬具に関連して発生する現場共通費は、車両運転時間法によって各現場に適切に配賦する方法を採用する。その他の現場共通費については、直接原価法か直接材料費法、直接労務費法によって現場共通費を各現場へ配賦する。このように現場共通費の内容を詳細に検討し、その費用の内容がどの配賦基準が適切であるかを検討して、最良の配賦基準を採用するかを決めるべきである。

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