204.分離発注を主張する専門業者の理由
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 4/26(水) 21:44:59  返信も含め全削除

1.分離発注を要望する専門工事業者の主張
 専門業者が分離発注を強く要望するには分けがある。その大きな理由としてゼネコンの傘下で受注すれば、元請に取られる金額だけ利益が下がるという理由である。しかし、この理由はゼネコンを否定する主張であり、建設業界の仕組みの否定であり適切な意見ではない。何故ならゼネコンを排除したとすれば、総合工事管理がなくなり、工事全体がバラバラになり施工不可能である。このような分離発注の要請は建設業界に対する不合理な挑戦である。確かに専門工事業が下請となれば、ゼネコンに上前を撥ねられることで利益は減少することは確かである。しかし、工事全体の工程管理ができない点を解決できない。この総合工程管理については、ゼネコンと分離発注された専門工事業との間で、協議するから心配ないという意見があるが、これではゼネコンと専門工事業との共同企業体と同じ結果となる。共同企業体は工程管理に大きな難点があり適切な工程管理はできない。更に分離発注は共同企業体より工程管理に難点が多く、総合工程管理が更に不適化するのである。

2.ゼネコンの存在価値は何か
 専門工事業がこれまでして分離発注を要求する理由は、ゼネコンの総合工程管理の不適切化なためである。ゼネコンは総合工事業として、錯綜する多くの専門工事を管理することが必要であるが、ゼネコンの管理能力の不足から、待ち時間が断続的に発生することや、極端に作業時間が不足する場合もあり、各社が必ずしも効率よい作業ができない。ゼネコンの適切な総合工程管理がない限り、専門工事業は予定どおり利益を上げることができないのである。このようにゼネコンの工程管理の優劣が、専門工事業の損益を直撃するから、ゼネコンの管理技術者の責任は非常に重いのである。共同企業体や分離発注があまり横行することになれば、ゼネコンの総合工程管理無用論まで発展する。このように共同企業体や分離発注は、ゼネコン無用論とまではいかないが、ゼネコンの工程管理の重要性を認識していない意見であることは間違いない。その意味でゼネコンの存在価値としての総合工程管理が如何に重要であるかを認識する必要がある。

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