209.ニ度と同じ現場はないとの主張に課題が潜んでいる
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 5/31(水) 08:09:43  返信も含め全削除

1.ニ度と同じものを生産することがないという主張に課題が
 建設現場においてニ度と同じものを生産する現場がないという主張は正しい。この主張に反論する余地はないであろう。これは受注産業の宿命であって施主である客から仕様書による詳細な指示があるためで、一つとして同じものを作ることはないからである。また工場生産の場とは違い、生産現場が野外であり自然現象の影響も受けやすいのも建設現場の特色である。そのため工程の標準化や作業の標準化が非常に難しい業界である。また、現場の環境が刻々と変化するため、その変化に対応にも迫られる。例えば施主の要請による設計変更や現場の状況変化に対応する施工方法の変更、地域住民の反対運動、各種の事故等による影響があり、現場では何が起こるか分からないとの主張になって現われる。しかし、この主張には大きな問題が潜んでいる。主張の中には計画どおりに行かない言い訳を誘発する理由があり、自ら努力することを回避する気分が入りこむ余地があり、一種の自己暗示に似た現象に陥ることに注意しなければならない。

2.合理化近代化のチャンスは事実の記録にある
 合理化近代化は事実の現状記録から始めなければならない。何故なら現状の実態記録の中には改善すべき情報が混在しており、その改善事項が次の施工に生かされる。この改善を繰り返すことによって工程の標準化や作業の標準化が進むのである。施工現場全体像から見ればニ度と同じ現場はないと言う主張は正しいが、工程や作業を細分化すると、同じ工程や同じ作業が繰り返す部分が多く存在する。この繰り返す部分が標準化の原点である。更に工数による分解が重要なポイントとなる。工数とは最小の作業時間の単位で、建設現場の標準化はこの詳細な工数思想の導入が標準化の優劣を決定する。何故なら、同じ工程や作業であっても現場が変われば工数に違いがあるからで、この工数の手法を導入しないと、ニ度と同じ現場がないという自己暗示にかかってしまうからである。

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