210.作業の標準化には工数分解の思想が重要
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 6/7(水) 19:12:03  返信も含め全削除

1.建設業界で用いる人工計算の手法とその思想
 建設業界では、一定の作業量を計算する単位として人工計算が行われる。人工計算は、施工する工事量を延べ作業員数に換算するものであり、施工資源の能力と資源数(建設機械の能力と台数や作業員の技能レベルと作業員数等)は、施工計画を立てる上で重要な基礎資料として用いられている。1人の作業員が1日当りの標準作業量を決めて、延べ作業員数を算出する手法である。例えば200立方メートルの工事量の現場で、作業員1人当たり1日2立方メートルの作業が標準的であるとすれば、総作業量200立方メートルを、1人1日当りの作業量2立方メートルで割ると(200立方メートル÷2立方メートル=100人工)100人工となる。これが延べ作業員数である。したがって、100人工の作業を5人で施工すれば20日間が工期となり、10人で施工すれば10日間が工期となり、延べ作業員数は100人工と同じになる。工期が20日となるか10日になるかの違いとなる。人工計算は工種が異なっていても作業量を同じ人工という尺度に換算できる点が有用である。

2.人工計算に類似した工数計算の手法と思想
 現場の施工計画を立てるときに重要なことは、種類の違う作業を同じ尺度で換算することが重用である。その換算手法に人工計算に類似した工数計算という手法がある。人工計算と工数計算の共通点は、種類の違う作業を時間の尺度に換算する点であるが、両者は思想やその目的に大きな相違点がある。
(1)人工計算の時間単位とその目的
  @ 人工計算の時間単位は、作業員1人当りの標準的作業量を基本にするため時間単位は1日である。
  A 人工計算の目的は、総工事量の延べ作業時間を算定し、工期計算や労務費計算に用いられる。
(2)工数計算の時間単位と目的
  @ 工数計算の時間単位は、1時間、30分、10分、5分等、人工計算より細分化して用いる。
  A 工数計算の目的は、作業時間の効率を上げるための道具として用い、時間管理が主要な目的である。

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