211.作業の標準化に威力を発揮する工数分解
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 6/14(水) 07:50:28  返信も含め全削除

1.施工効率を上げる計画には作業の標準化が必要である
 工事現場で計画どおりの利益を上げるためには、実現可能な施工計画が重要である。更に施工計画に沿った施工実施が重用である。しかし、現場担当者は「現場では何が起きるか分からない」という主張が多く、計画どおりに実行できないと思い込んでいる。これでは施工計画自体が役にも立たない。重要なことは少しでも施工計画の成果を上げることである。実現可能で適切な施工計画が立てられないと思い込む理由は、作業の標準化ができないと思い込んでいるためである。作業の標準化は施工計画の基本的前提条件であるから、作業の標準化を否定することは、施工計画自体を否定していることになり、現場は施工の準備さえ適切に行われないことになる。段取りとか施工準備は広義の施工計画であり、昔から段取り8分と言われ、段取りが良ければ施工前に8割方成功するという意味である。これほど段取りや準備という計画が重要なのである。計画は、過去の施工体験を標準化したものを基準にするので、施工計画の成功の秘訣は、段取りから施工までの作業を標準化することである。

2.なぜ、作業標準化に工数分解の手法が必要か
 工数の単位は、1時間とか30分、10分、5分といった時間の単位を小単位に細分化することがポイントである。これは作業効率を上げるための手法として、作業時間の単位が細かいほど、作業の標準化が有効に作用するからである。作業単位を1日とする人工計算の手法では、施工計画の基礎計算があまりにも大雑把であり、ラフな目安原価やラフな見積計算程度には機能するが、コストダウンを誘導する技術としての科学的時間管理の道具にはならない。例えばある作業についての一連の作業行為は、幾つかの異なる作業が連続して複合化している。これを1日単位の人工計算の手法では、1日分の雑多な複合作業を1単位として扱わなければならない。これでは複合作業があまりに多種にわたり標準化が難しいのである。業界では1日単位の人工計算が長い間用いられていたが、これではコストダウンを誘導する科学的技術にはならない。コストダウンを誘導できない実行予算制度程度であれば人工計算でよいのであろう。
  


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