213.建設現場のコストダウンの宝庫はどこか
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 6/28(水) 10:31:47  返信も含め全削除

1.現場では何が起こるか分からないという部分が宝の山
 建設業界では、科学的な原価管理の手法が難しいと昔から主張してきた。その理由が、二度と同じものは作らないとか、施工現場が野外であるため、「何が起こるか分からない」という理由が大義名分となっている。原価管理とは、できるだけ達成可能な目標原価で仕立て、その目標原価に向って誘導する技術を原価管理とを言うが、「何が起こるか分からない」という意識が強いと、達成可能な目標原価を立てても、不安定要因が多くて役に立たないと思い込んでしまうのである。目標原価が適切に見込まれなければ、実際原価を誘導する目標が不安定かしてしまい、原価管理が機能しないことになってしまうのである。

2.コストダウンの宝庫はどこか
 コストダウンの宝庫は、「何が起こるか分からない」という部分に集中している。何故なら予期せぬコストアップに一番関係している部分だからである。本来、施工の基本的標準作業部分は、過去に経験した作業と大きな差異はない。基本的作業部分は、施工数量だけが変動するだけである。つまり、「何が起こるか分からない」という意味は、天候等の影響や工事支障物件が出た場合等を指すのであるから、予期していない突発的な事柄を指しているのであり、予め施工計画に組み込むことが難しい部分である。予測不可能なことで発生する原価を多少は見込むことが行われるが、完全に見込むことは不可能である。しかし、工事原価に占めるレンタル料の割合が多くなった近年は、時間で発生する原価にウエイトがかかるため、「何が起こるか分からない」という理由で工事が中断していても原価は発生し続けるのである。この部分のコストは本来の建造物のコストではなく、大げさに言うと本来の原価を構成するものではない。全く余分で無駄な費用である。この無駄な費用は時間で発生するから、この費用を削減するには時間の観念が必要である。施工現場で何が起きても速やかに対応することで時間を節約する技術がコストダウンに大きく貢献することを留意すべきである。

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