214.純作業コストとハプニングコスト
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 7/5(水) 12:04:11  返信も含め全削除

1.通常の純作業部分とハプニング部分の区分
 作業現場が野外で行われるものであり、何が起きるか分からないという部分は、現場で発生するハプニングのことを指している。このハプニングが付きまとうことが建設業界の特色である。そこで通常行う純作業部分とハプニング部分は分けて整理する必要がある。なぜなら通常の純作業部分については、施工量の違いを考慮すれば標準化がし易い部分であり、計画が立てやすい部分である。従来から建設業界は、通常の純作業部分とハプニング部分を分離せずに施工するため、「現場は何が起こるか分からない」との主張になって現れていた。これでは適切な計画が立てられないのは当然で、現場は「何が起こるか分からない」という状況の中で施工することになり、これが建設業界の通常の姿であると認識されていた。「現場では何が起こるか分からない」という部分が、ハプニングの部分であり、このハプニングの部分を除けば、通常の純作業部分であるから、施工量の増減を考慮して作業の手順や動作等は同じ状況になり、作業の標準化はそれほど難しいものではない。

2.純作業コストとハプニングコスト
 ハプニングによって掛かるコストは、本来の生産物のコストを構成するものではなく、純粋な製品的原価の視点から見れば、ハプニングコストは、生産物が完成することに必要不可欠なコストではない。そのため、ハプニングを無造作に放置すれば、無駄で余計なコストが無秩序に発生することになる。これでは原価管理が行われていないのに等しい結果となる。通常の純作業部分で発生するコストは、生産物を作成するための本来のコストであり、この部分だけが正規の原価を構成するものである。これに対してハプニングコストについては、ハプニングを回避できれば発生しないコストであるから、ハプニング回避についての研究をすることが重要である。ハプニングコストは、事故を予防するための安全管理に類似した面があり、危機管理の一種である。また、通常の純作業部分で発生するコストについては、生産性の研究や工程管理による工期短縮の研究部分であるから、両者は区別して検討すべきものである。

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