217.ハプニング回避システムの高度化
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 06/7/27(木) 07:58:45  返信も含め全削除

1.ハプニング発生後の処理とその記録
 人身事故等のハプニングが発生した後の記録は、近年かなり詳細に残されるようになった。中でも公共工事については発注者、監督署、警察等の確認も厳しくなったし、発注者の業者に対する評価点数の減点も厳しさを増しているため、業界の安全管理に対する対応策はかなり神経が使われるようになってきた。特に、死亡事故の場合などは指名停止の制裁を受けるため、企業経営にまで大きく影響するようになった。また軽微な事故の場合、評価の減点を恐れて隠す場合も多かったが、これがバレルと大きな制裁を課せられる。近年は、軽微なものでも速やかに報告されるようになってきた。事故が起きれば現地調査会が速やかに組織され、その後の本部調査委員会も迅速に開かれている。しかし安全管理は、この事後処理の問題より重要なことは、事故を未然に回避することである。現在一般化している安全管理対策は、事故発生後の記録がベースになってマニュアル化が進んでいるが、事故回避システムや事故予防策には更に一歩前進する必要がある。

2.ハプニンには前兆とも言うべき予兆がある
 ハプニングの中でも特に人身事故については予兆となる現象がある。それは現場作業員が体験するヒヤリハットである。この予兆とも言うべきヒヤリハットを、もっと重視すべきである。なぜなら既製の安全管理マニュアルを重視することも必要であるが、既成の安全管理マニュアルは、事故が発生した後の事例集の中から比較的頻度の高い事例をマニュアル化したものである。つまり事故が現実化した事例集がベースとなっている。これは事故の予兆を基本にしたものではなく、事後発生後の記録である点で課題が残る。なぜなら事後記録を基にした安全管理マニュアルの作成が、事故に遭遇する可能性の高い作業員ではなく、スタッフが作成したものである。そこで事故の予兆とも言うべきヒヤリハットを体験した作業員の情報から作られたものでなければならない。真の安全管理とは、事故を未然に回避するためのシステムであり、事故が起きた後のデータよりも、事故の予兆を直接体験した作業員からの生データが重要で、そのデータ分析から事故回避の機能をもつシステムが作れる可能性が高いのである。

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