224.下請管理の高度化と安全管理の課題
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 06/9/13(水) 23:02:34  返信も含め全削除

1.安全対策の難しさ
 現場で発生するハプニングの中で一番厄介な問題は人身事故である。こと生命に関することであるから当然であるが、人身事故が起きれば、人命重視の時代には社会的責任は重く批判もされる。また発注者に対する心理的、経済的に多大な迷惑を掛けてしまう。当然、納期にも影響するため発注者ばかりでなく、施工業者にとっても大きな経済的ダメージが受ける。人身事故は望んで起こすものではないが、安全対策を注意深く準備していても時として発生する。人身事故を回避することがいかに難しいかがうかがえる。人身事故は比較的容易に予期することができるものと、予期することが非常に難しいものに分類することができる。命綱とか防護柵等の比較的予期しやすい部分については安全対策が充実してきたが、問題は、予期することが難しい事故についての安全対策をどこまで科学的に対応できるかが問題である。

2.ゼネコンとしての安全対策と課題
 ゼネコンの安全対策の難しさは、事故の当事者がゼネコンの関係者ではなく、下請等の専門工事業者や現場作業員に起きる。ゼネコンの安全対策は、マニュアル化された標準的安全対策であり、命綱とか防護柵等の比較的容易に予期できる部分に集中している。この部分の安全対策は、道具や設備に関するものが多い。これに対して予期することが難しい事故は、事故現場の環境や現場の視界等、人間の心理的に作用して起こる現象や、担当する作業員の性格や癖、事故当日の体調等、作業員個人に起因して起こる事故もあり、これらの問題を標準化することやマニュアル化することが非常に難しい。そこで工事現場の施工開始の初期段階で、その現場特有の要因をヒヤリハットの記録から早急に見つけ出し、心理学的現場環境の影響や個人的特性で起きるハプニングを科学的に分析し、人間の特性の部分から派生する人身事故を回避する仕組みを見つけ出すことである。本来、人間は10人十色と言い個人の性格や個体の特性が違うが、それでも個体の特性を数量化して心理学を確立している。ヒヤリハットからも心理学的な法則や科学的な事故回避の仕組みを早急に研究すべきである。

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