228.新分野進出論議の時代背景
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 06/10/11(水) 19:16:10  返信も含め全削除

1.新分野進出に関する論議
 公共投資についてはこれからも必要であるが、近年の国や地方自治体の財政状態からみて、安易に投資することはできなくなった。特に地方自治体の中には財政状態が破綻している状況下にあるものも多く、公共投資の予算については限界にきている。しかし公共工事専業の建設業者にとっては死活問題となっている。工事量が過大な時代には、施工能力を超えた状態でも、無理をしながら対応してきた業界である。そのような時代からあまりに急激な工事の激減は、一般論的な経営状況の下では対応できる限度を越えており、経営に大きな打撃を受けている。これは発注者を非難しているのではなく、影響の受け方が尋常ではない状況下にあることは間違いない。しかし、国や自治体の財政状況からみても当分の間はこの現状は変わらないであろう。そのため、この状況下を脱出する方法として論議されたのが新分野進出論である。工事量の減少による余剰人員を整理するのではなく、新分野の事業で雇用を確保し、更に産業振興にも寄与しようと期待する施策である。

2.新分野に関する整理
 新分野という意味には二つの意味がある。一つは、現在存在していない産業を新しく創造するというものであり、新しい産業振興という分野である。このような新分野進出は、本格的産業創造ということであるから、研究開発型の企業でなければ対応することができない。二つ目の新分野という意味は、本業以外の産業に進出するという意味で使われている。この場合は、既にその分野の先駆的な事業者が存在している分野あり、その分野の競争市場に割り込むということであるから、本業の数倍の努力をしなければ成功するはずがない。いずれにしても新分野進出は、それなりの覚悟と資力がなければ失敗するのは明らかである。新分野の事業は、ばら色の事業ではなく、むしろ苦悩の連続であることを覚悟しなければならない。新分野の進出は、冒険としての投資である要素もあり、慎重な計画と細心の注意をしなければならない。

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