233.建設業界は減収増益の時代
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 06/11/15(水) 19:12:03  返信も含め全削除

1.増収増益を求める理由
 企業が発展するためには、企業活動の最終的な目的として一定の利益を確保しなければならない。利益は売上に連動して増減するため、企業にとって売上を伸ばす戦略(増収戦略)を第一に考えることは当然である。そのため売上を伸ばすために受注を増やすことに懸命になることも当然である。売上を伸ばす(増収)ことによって最終的に利益拡大(増益)を図ろうとする。この増収によって増益にする考え方を売上中心主義と言い、この考え方は売上に対して過大に神経が集中しすぎる結果となる。この売上中心主義の考え方が強すぎると、利益を確保する考え方が薄れてしまい、経営管理(原価管理を含む)が軽視され、増収する以外に利益を確保する方法がないという考え方に陥る結果となる。建設業界は昔から売上中心主義の思想が根強く、「受注なくして利益なし」と言う表現が使われていた。近年、公共投資が最高時の50%を割るような時代には、公共工事専業の建設業者にとっては死活問題である。これでは生き残る術がないことになるではないか。今こそ減収時代を生き残る術を知るべきである。

2.減収増益の経営体質への転換
 売上が減収になっても最終的な利益が確保できれば企業は継続する。この経営手法を減収増益といい、近年の建設業界で増えてきた。これは現場の工事管理の重要性を気がついた証拠であり、工事量の減少時代に生き残る方法はこの方法しかない。正確な分析結果は出ていないが、調査企業の約20%程度の企業が、減収増益を成功させているようである。工事量が溢れるような時代には、工事を急いで完成させることだけに気をとられ、予定の利益が確保されなかったのである。工事量が減少したために、技術者に余裕ができたため複数の技術者を配置し、工事管理を科学的データで施工することによって、減収増益になった企業が現れだした。これが本物の工事管理であって、実行予算によって単に予算消化をする手法では、近代工事管理とは言えないのである

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