234.上下の関係が更に崩れ去る社会構造
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 06/11/22(水) 19:30:46  返信も含め全削除

1.人間関係の構造は上下関係から始まった
 人間は弱いもので一人では生きられない。弱い生物は身を守るために本能的に集団化する。集団化すれば群れのリーダーが必要になり、ボスや酋長が生まれる。情報不足の時代は集団で情報を収集し、情報はボスに集められ、その情報によってボスが集団の方向付けや行動を決定する。この集団主義が日本の業界団体や企業、学校、家庭等大集団から小集団に至るまで、ボスのコントロールが利いていた時代が長く続いていた。しかし、近年集団主義の思想が消えてしまい、集団のコントロールが利かなくなった。今や集団主義の崩壊で、社会全体の上下関係の統制に混乱が生じてきた。この原因は、上部からの情報の流れが悪く、新鮮で良質な情報が水平に流れている時代に変わってきたのである。情報は生鮮食品であるから時間と共に腐敗することを忘れてはならない。この水平に流れる情報化社会によって、集団主義の垂直型情報システムの機能が低下し、集団主義が崩壊状態に陥ってしまった。

2.建設業界に残る集団主義と垂直型の
 建設業界においても集団主義の護送船団方式の機能が低下してきたし、業界の親分子分の関係や、護送船団方式の工事配分手法も従来のようには機能しなくなった。社内も実行予算による予算配分思想にも陰りが出てきた。元下関係における協力会にも崩壊現象が起きており、過去の元下関係とは大きく変ってきたことを現している。この元下関係を注意深く観察すると、建設業界の環境には大きな変化が出ていることが分かる。下請企業であっても集団主義の護送船団方式から離脱し、本格的に専門工事業で一本立ちを試みる企業が増えてきた。所属していた協力会のゼネコンから満足な工事量を確保することが難しくなったのである。元請との接待ビジネスに明け暮れた時代は終わったのであり、専門工事業も本格的実力によって、本格化した市場経済に参入する時代が到来したと見るべきである

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