235.多発する談合事件を再検討する
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 06/11/29(水) 18:11:08  返信も含め全削除

1.建設業界の競争が激しさを増す中で
 日本の市場経済の現状は、過去に経験したことがないほど激しさを増してきた。建設業界においても過去とは比較にならないほどの激しい競争環境になってきた。特に建設業界の競争環境の激化の要因は、第一に、公共工事の工事量が激減したこが大きく響いている。第二に、長い間続いてきた談合という仁義のシステムが利かなくなっており、入札時の仁義が急速に崩れたことを嘆くひとが多い。たしかに水面下で江戸時代から続いてきた入札時の仁義が、急に崩壊したのであるから混乱するのが当たり前である。業界関係者は、談合は刑法に抵触する悪いことであることを知りつつも、他に代わる適切な入札ルールがないと訴える。それは生産物を作る前の入札時に競争原理が無限大に作用する仕組みに問題があることは事実で、過度な競争の結果、低入札等の現象になって現れ、品質が心配される。談合は違法行為であることを知りながら、代替の方法がないということから必要悪であるというのである。そのため、依然として談合が水面下でうごめいているのである。

2.必要悪の談合が決定的に崩壊する理由
 江戸時代から続いてきた談合が、必要悪と言われながら続いているが、近年になって急速に崩壊してきた。その崩壊の理由は、第一に、工事量の激減により談合の調整が利かなくなったこと。第二に、高額な工事金額に群がる利権争いも、工事量の激減によって対立が激しくなり、仲間や利害関係者からの内部告発が増えてきたこと。第三に、談合が内部告発によって表面化すると、違法行為としてマスコミが大きく取り上げるようになってきたこと。水面下の談合が表面化すると、民衆パワーによって社会が許されない環境に変わったこと。第四に、民衆パワーの大きな反応を見て発注担当者が、大きな制裁をせざるを得なくなってきたこと等、結果的に社会からボイコットされ、企業経営が継続できなくなる結果となり、経営者等企業関係者が戦意喪失してしまい、企業崩壊に追い込まれた企業が増えてきた。建設業者は、この時代を乗り切るためにも、過去の建設業界の経営思想や経営手法の延長線上では、生き残ることができないことを知るべきである。

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