247.家族的経営で格差社会を乗り切るために
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 07/2/21(水) 08:27:58  返信も含め全削除

1.家族的経営が通用しにくいビジネス社会
 日本的経営がもてはやされた時代は、高度経済成長期には家族的経営が最も成功した時代であった。これからも家族的経営の良さで成功する企業も沢山あるに違いない。しかし、ここではあえて家族的経営の弱みついても検討しておく必要がある。何故ならビジネス環境があまりに大きく変化しているため、家族的経営にも時代の流れに合わせる必要があるからである。家族的経営とは、家族による経営と区別しなければならない。中小企業や小規模事業には家族及び親戚縁者による経営があるが、これは家族的経営とは言わない。このような経営体は、家族経営であって家族そのものによる経営を指すのである。家族的経営とは、他人の集合体としての経営体であるが、あたかも家族のような精神的繋がりによる経営という意味であるから、家族経営と家族的経営を区別して整理する必要がある。

2.激しい競争は格差社会を生む。ドライに乗り切るためには
 良いものが安くという市場経済の厳しい原理が作用する時代であり、情緒的で精神訓話的な部分に頼りすぎると、この時代は危険性が高くなる。現代の市場経済は、人脈重視の情緒的人間関係の時代とは異なり、ドライで科学的な厳しい判定に耐えうる仕組みが企業の体質として求められている。その意味で近年の市場経済の仕組みは、情緒的な人間の信頼関係に頼りすぎてはいけない時代である。これは人間本来の信頼関係を無視することを言うわけではなく、ドライで科学的なルールやマニュアルを、厳しい基準として併用すべきことを言うのであって、基本的な人間の信頼関係は大前提である。しかし、不二家事件のように人間の信頼関係だけに頼りすぎると、箍が緩んでも気がつかない場合がある。不二家事件は、必ずしも家族的経営の問題ではないが、家族的経営に共通する欠陥が潜んでいることは確かである。家族的経営には多くの弱点を抱える点を整理し直す必要がある。何故なら過去に成功した家族的経営を、そのまま過去の延長線上で継続することに危険性があることを認識すべきである。
    

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