250.家族的経営と市場経済の接点
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 07/3/14(水) 23:53:49  返信も含め全削除

1.何故、近年家族的経営の弱点が表面化したか
 日本の高度経済成長は、所得格差が極端に生じない状態で成長したため、今後もこのような状態の成長ができるものとして期待するひとが多い。しかし、日本の高度経済成長期は、現在の世界各国の状況と比較すれば、国別に多くの規制をしていた時代であり、今日のような規制が少なくなった時代ではなかった。そのため、賃金や物価が世界一高い時代であったが、日本独自の市場経済の文化を維持することができた。そのため当時のビジネスは、日本国内だけの競争市場の意識だけで十分に通用する時代であった。然るに現在の日本の市場は、世界中の製品に囲まれている時代であり、衣食住に関連するすべての財貨は、世界各国と連動して動くようになってしまった。そのため少し賃金を上げれば世界市場で負けてしまうし、日本の物価が少し上がれば世界中から安い製品が津波のように押し寄せる時代になってしまった。この中で家族的経営の仕組みの弱点が表面化してきたのである。

2.日本の労働価値観の転換期
 いつの時代でも同じであるが、近年特に企業格差が表面化してきた。日本の強い企業は、世界戦略が優れており好成績を挙げているが、そこで働く人材も世界の市場経済に通用する人材である。ほどほど働いて高収入を獲得できた時代とは大きな違いである。現代の市場経済は世界と連動している市場であり、過去の孤立時代の市場と混同してはいけない。日本の高度経済成長期の市場とは質が違うのである。労働価値観を変えなければいけない。日本が孤立していた時代であれば、政治が悪い、景気が悪い、自分は悪くない。という理由が通用したが、現代の労働感や仕事感が世界市場で通用するものでなければ、一定の収入を確保することはできない仕組みになってしまった。その点で家族的経営の思想も世界市場で通用するものであれば良いが、比較的に弱い部分が表面化していることが気にかかるのである。

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