274.現場改革には意識や経験が邪魔をする
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 07/9/26(水) 23:19:45  返信も含め全削除

<アンケートの意見より>
 今年5月に道内14ヵ所で実施した専門技術者養成講座のアンケートから。(アンケートの内容は、ホームページ・研究の広場<263>平成19年7月11日に掲載)に「新しい管理技術の導入には、技術者の意識と経験が邪魔をする」という意見があった。新しい仕組みを導入する場合は、長年の仕事を通して築き上げた経験が重要であることは当然である。中でも成功事例である経験技術を変更することは難しい。しかし時代が変わり社会の状況が変化すると、成功事例の施工技術や管理技術が陳腐化することもあり、常に新しい研究が必要であるし、新しい管理技術の導入が必要になる。

1.技術者意識の経営思想に大きく影響する
 現場における工事管理の技術は、技術系の管理(工程管理、品質管理、安全管理)と経営系の管理(原価管理)に分かれるが、意識に関する影響は、技術系の管理より経営系の管理の方が深く影響する。何故なら経営系の管理は、経営思想にまで及ぶものが多く、経営思想が変化すれば経営管理の手法までも変化するからである。経営思想の基盤に、人間は何のために働くかという問に対して、人類のために働く、日本のために働く、会社のために働く、家族のために働く、自分のために働くという意見もあれば、自己実現のために働く、面白いから働く、生きるために働く等色々な考え方がある。あまり難しく考える必要もないかもしれないが、個人の人生観にも深く関係するのである。そのため経営管理を成功させるためには、人生観まで考慮した経営思想を整理しなければ、経営管理が成功しないのである。

2.技術者の経験に影響される
 工事管理の技術は、自分が現場の実践で築き上げた技術が多い。この技術は自分にとってのすばらしい成果品である。しかしここに多くの課題が潜んでいる。それは自分ひとりで築き上げた技術であるため、簡単には同僚や部下には公開しない。他の業界と比較すれば恐ろしいほどの特色となっている。これは人間の特性でもあるから仕方がない。先輩に教えてくださいと言っても、盗んで覚えろと一喝されてしまう業界である。個人が築いた技術はなかなか伝承されないのである。また、自分の技術が成功例であると思い込んでしまうと、外部からの改革にも大きく抵抗する要因ともなっている。

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