283.工程データの重要性とデータの蓄積
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 07/12/5(水) 03:26:22  返信も含め全削除

<アンケートの意見に>
 現場技術者に対する研修会で、「新しい工事管理の思想と手法」に参加した技術者のアンケートに「工程データの収集に時間が掛かるからできない。」という意見があった。この意見は、工程データに対する考え方を整理する上で重要である。

1.工程データの重要性
 質の高い施工管理をするには、良質な科学的なデータがなければ、良質な施工計画も立てられないことは当然である。過去に施工した現場において、比較的良質なデータは工程に関するものが多い。それは工事が一夜にしてできるものではないからであり、一定の工程や細分された作業の積み重ねで完成するものであり、技術者に経験が要求されることもそのためである。過去に類似の施工体験がなければ、実際の現場を担当することは難しいし、特に大きな現場になれば、相当の経験が要求されることは当然である。これらの体験は工程に関するものが中心になるから、それがバーチャートのような簡便な工程表であろうが、高度なネットワーク工程表であろうが、或いは書類としては作らないが、頭の中に記憶されたデータであっても、新しく施工する工事の工程計画が事前になければ、施工を進めることはできないであろう。これほど過去の体験値のデータが重要であり、利用価値が高いものが工程データである。

2.科学的データをどのように作成するか
 工程に関するデータは、前述したように書類として残すか、頭の中に残すかの問題ではなく、類似の工事データが皆無の状態で、しかも類似工事の経験も皆無の状態であるとすれば、新しい現場の施工はできないことは明らかである。したがって、新しい現場の担当者は、工程データが皆無の状態で施工することはあり得ないのであるから、経験値が頭に記憶されたものより、書類として正確な工程データがある方が有利であることは間違いない。特に、電子データとして工程データが蓄積されていれば、新現場の工程計画には更に有効に利用することができるのであり、そのデータはバーチャートより、ネットワーク工程表の方が、有効に活用できることは間違いない。そのため、実際に施工する時点で、将来その工程データを利用する意識をもって実績記録を残すべきである。

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