286.机上の空論パート2(続き)
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 07/12/27(木) 17:39:36  返信も含め全削除

<アンケートの意見に>
「理論と現実の差が大きい。机上と現場は違う。」という意見の続編

1.建設業界の現場技術者が主張する、二度と同じものを施工することはないから標準化 が難しい。また野外施工のため天候に左右されるから机上の計算どおりにはならない等、理論どおりいかない理由を強調する。この意見は、そのとおりで反論する余地はない意見である。しかし、前回の連載で述べたように過去の経験値のデータは、頭脳に蓄積される段階でデータは平均化され標準化されて頭脳に収納される。この点が重要である。何故なら理論の基礎は、経験値を科学的に整理したものであって、基本的に実務に密着したものである。実務家机上の空論として理論を軽視する人がいるが、現に実務家で大成しているひとは、現場で理論的なチェックしながら施工しているではないか。学問的理論体系がどのようにして出来上がるかと言えば、多くの実務家のチェックを受けながら理論が完成するものであり、その意味では学者、研究者、実務家の合作で完成したものであることを留意すべきである。

2.実務家は学問的理論体系をもっと活用すべき
 学問的体系を研究する中で発見された原理まで、実務家は机上の空論として批判するひとがいるが、どのような主張をしても、自然界の法則である原理を変えることができないのである。原理とは、この世の普遍的な法則であって無視してはいけないものである。仮に人間の意志や行動で変えることができるものがあれば、それは原理ではないのである。自然界の法則である原理は、人間の意思によって変えられるものではない。このような原理を机上の空論と言ってはいけないのである。施工現場の作業の中に原理的な現象が膨大に潜んでおり、その原理を無視すると大きな損害が発生してしまう。この点を十分に認識し原理どおりに行動して入る現場技術者も大勢いるが、実務家の仲には原理や理論を軽視し、思いつきで仕事をする技術者が多いことも事実である。この一連の連載は、この点の指摘をすることが狙いであり、実務家にその重要性の認識をしていただくことが願いである。

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