新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 08/1/9(水) 18:55:09
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<アンケートの意見に>
現場技術者に対する研修会で、「新しい工事管理の思想と手法」に参加した技術者のアンケートに「現場の施工効率上げても次の仕事がないから、効率を上げても意味がない。」という意見があった。この意見は、新しい工事管理の研修の中で、施工効率を上げることが重要であると説明したものに対する意見であるが、この意見は工事量減少時代の心情として理解できるが、施工効率の問題と心情とは別の問題である。
1.工事量減少時代の心情
工事量減少時代に最も陥りやすい問題の一つである。次の工事獲得が見込めない状況下にあって、施工効率を上げて工事を早く完成しても、次の工事を確保するまで期間が遊びになり、施工の効率化を計っても意味がないではないか。という意見であり、現場の担当者として急ぐ必要が感じられないのであろう。しかし、この意見には重大な見落としがあり、気をつけなければならないことがある。それは施工時間で発生する原価の特性を十分に考慮していないからである。
2.工事量が減少する時こそ効率化に注意
適切な施工をする場合に、何故、効率化が必要になるかを整理すると、品質が良く、安全に、適正な原価で施工することが重要である。つまり適切な施工がポイントになることは言うまでもない。適切な施工とは、無駄な作業をいないと言う意味であるから、必然的に効率が良い施工となる。また、適切な施工は無理な施工はしないという意味もあり、最も安全が確保される施工を言うのである。更に、適切な施工は効率の良い施工を指すのであるから、無駄を省き原価の掛からない状態になるため、最もコスト安となる。特に、近年の施工方法は、時間に比例して発生する原価の項目が増え、効率のよい施工は想像以上にコスト安となるのである。過度に急ぐ必要はないが、必要以上に時間を掛けることは、余計な時間を掛けてしまい、レンタル料のような時間比例費が、時間の経過によって発生してしまうのである。そのため、上記の意見「現場の施工効率上げても次の仕事がないから、効率を上げることに意味がない。」という意見は大きな間違いである。余分なコストの発生を見逃す結果になるからである。
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