293.誰のための効率化かと言う意見の意味
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 08/2/20(水) 18:00:55  返信も含め全削除

<アンケートの意見に>
 現場技術者に対する研修会「新しい工事管理の思想と手法」に参加した技術者のアンケートに「効率化は、建設業者のためなのか、発注者のために効率化を計るものか、現在のところどちらの意味か分からない。」という意見があった。確かに効率、効率と言われ時間に追われることが多く、何故そんなに効率ばかりを号令されるのか。その意味の真意が分からなければ実力を出せないのではないか。という意味であろう。

1.効率化によってその恩恵は誰が受けるか
 効率化の一般的な概念からすれば、現場の作業を効率化して生産性を上げることは当然であり、まさか効率を上げること自体が意味がないと言うことはあり得ないであろう。しかし効率化が具体的にどんな意味を持っているかについての意見で、「請負業者のためなのか。発注者のためなのか。」と問われれば、その状況によっては、明快に答えることには難しい場合がある。単純な意味で答えるならば、双方とも効率化の恩恵を受けると言うことになり、効率化の恩恵は、主として施工業者が受けることが多いであろう。また発注者としても適正な納期の問題も関係するため、恩恵を受けることは間違いない。発注者としては、建設業者を激励する積もりで効率化を奨励する場合があるかも知れないが、結果的に効率化の大部分の恩恵は、建設業者側にあることを認識すべきである。

2.効率化の恩恵を受ける建設業者
 前述のとおり効率化の大部分の恩恵は、建設業者側で受けるのであるから、効率化の研究を十分にしなければならない。しかし実際の施工段階で科学的効率化の研究は、他業界に比較すれば大きく遅れていることを認識しなければならない。他業界のことを取り上げれば、建設業関係者は、一つとして同じ物は作らないとか、野外生産であるからとか、各種の支障物件等、施工環境が刻々と変化するため、簡単に効率を上げることができないと主張する。確かに工場生産の効率化とは相違する部分が多いことは認めるが、効率化でコスト削減することは間違いないのであるから、上記のような誰のためであるかと言う意見が出ること自体が問題である。

返信 ご意見やご質問をどうぞ

パスワード

一覧へ戻る】 ※最新の画面を表示するには再読み込みしてください.