297.ネットワーク工程表の誤解と見直し
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 08/3/19(水) 23:30:32  返信も含め全削除

<アンケートの意見に>
 技術者研修会のアンケートに「実際の工事ではネットワーク工程表はあまり実用的ではない。不慮の事故、天候不順、許可待ち等、現場の状況の変化が多いことがある。もちろん開始時にネットワーク工程表は作成しますが、実際の現場では工程の後先の変更も起きるし、ネットワーク工程表では対応できない。」という意見があった。この意見は、ネットワーク工程表に関しての本質的な部分で勘違いがある。

1.ネットワーク工程表の誤解
 民間の工事に対して発注者から、ネットワーク工程表の提出を求められることはほとんどなく、大型の公共工事についてのみ、施工前にネットワーク工程表の提出が求められる。そこで第一の誤解が生ずるのであろう。ネットワーク工程表は、公共工事の場合に提出させられる書類の一種であるという誤解である。したがって、現実の現場は、上記の指摘のように不慮の事故、天候不順によって変更されるものであるから、ネットワーク工程表では対応できないという意見になるのであろう。ここで決定的誤解は、民間工事であろうが公共工事であろうが、日々変更する現場の状況を適格に認識するための道具であり、突発事件や予期せぬ事件に適切に対応する道具として、ネットワーク工程表が重要になるのである。当初の計画通りに施工が進行するものであれば、レベルの低いバーチャートや予定表で十分に機能するであろう。しかし実際の現場は、日々変更が起きるものであるからこそ、ネットワーク工程表が重要な道具になるのである。

2.ネットワーク工程表の進化
 ネットワーク工程表の技術は、電子技術の進化と共に高度化してきたもので、変化に素早く対応できる唯一の道具とみるべきである。日々変化する現場の状況をTI機器を利用したシミュレーションの道具であるから、変化が激しい現場ほど威力を発揮するものである。したがってネットワーク工程表は、過去のペーパー上で考え利用していたものとは大きく変化しており、情報機器が前提として使われるようになったことを認識しなければならない。

返信 ご意見やご質問をどうぞ

パスワード

一覧へ戻る】 ※最新の画面を表示するには再読み込みしてください.