306.なぜ、経営者のコスト意識が遅れたか
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 08/5/28(水) 09:12:02  返信も含め全削除

<アンケートの意見に>
 技術者研修会(釧路)のアンケートに「この講座の名前が悪い。講座の対象者を専門技術者養成講座ではなく、会社の代表者、役員も対象とすべきである。」という意見があった。この意見は、講座の内容についての注文ではなく、会社の経営者も勉強しなければならないという意見である。現場の技術者だけが勉強しても、経営者の理解が得られなければ、工程管理の新しい機能や重要性を理解することができない。現場技術者が新しい工事管理の手法に切り替えようとして理解されない。という嘆きの意見である。その意味で経営者も勉強し、新しい現場管理の手法を見直す時期にきているのである。

1.現場技術者の意見
 現場技術者の意見として、経営者に新しい工事管理の勉強を要請する意見が多くなった。近年、現場の改革のための研修が進み、現場技術者が工事管理の改革に積極的な意見が多くなった。以前は消極的な意見が多かったし、それ以前は消極的意見より反対意見の方が多かった。近年の現場技術者の変化は、建設業界が厳しい状況が現場まで浸透してきたことを現している。建設業界の厳しさは、当初、営業担当者と経営者が感ずるが、現場担当者には厳しさが伝播しなかった。近年の極端な工事量の減少により、担当する工事が目の前にない体験をしたことで、厳しさを肌で感じているものと思う。その結果、現場担当者による現場改革の高まりとなって現れてきたのである。

2.経営者の意見
 経営者は、10年ほど前から工事量の減少は予測済みであったし、経営の厳しさも予測されていた。しかし改善策や対応策が見つからなかった。それは「受注なくして経営なし」という主張で入札ばかりに神経が集中し、現場の工事管理の重要性に目が向かわなかったのである。この点では現在の経営者の意識は同じ状態で、工事管理に対する意識は、依然として実行予算を厳しく管理する以外に方法がないと信じ切っている。新しい工程管理の機能を知らないのである。現場技術者がコスト縮減に、工程管理が有効であると理解しても、経営者が理解できないために、切換えができないのである。いよいよ経営者向けの研修も必要性になってきた。

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