307.工事量減少期における作業員の課題
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 08/6/4(水) 23:40:44  返信も含め全削除

<アンケートの意見に>
 専門技術者養成講座(函館)のアンケートに「作業員の山積山崩しの理論は解るが、これは一つの現場として考えるのであれば良いが、複数の現場がある場合や、年間で雇用しなければならない場合、更に能力のある人材を確保しなければならない。その上で利益を上げなければならないから難しい。」いう意見があった。この意見は、幾つかの違った論点があるが、そのうち二つの問題を取り上げて整理する。

1.山積山崩問題の論点
 作業員の山積山崩の問題は、限りのある人材資源を有効に活用する問題であり、一つの現場のみの作業であれば、むしろ山積山崩の問題ではなく、単純に人材が過剰か不足の問題である。幾つかの現場が同時に並行して作業する場合には、特定の日に作業員の山(作業員が多数必要となる日)ができてしまう場合がある。その山の作業員数が限度を越えてしまう場合は、その山を崩さなければならない。つまり山崩は人材資源の適正な配分として重要である。しかも自社が抱える作業員が不足する場合、労務外注までしなければならない状況下で、作業現場が多重になる場合は、さらに作業員のやり繰りが重要になるのである。このような状況の時こそ、人材の山積の高低が許容範囲を超えることは許されないのであり、余裕時間を有効に活用する山崩が必要になるのである。

2.通年雇用の論点
 近年の建設業界の工事量の激減時代には、作業員を通年雇用すること自体が、企業にとって非常に苦しい状態になってきた。作業員を通年で雇用すれば、作業員の賃金が年間を通して固定化し、仕事がなくても賃金だけは支払わなければならないからである。近年は工事量の減少期に入り、一定の工事量を確保することが難しい時代になった。そのため作業員の人件費を確保することが難しくなってきた。しかし何年も続けて雇ってきた作業員を、人情的には今年も雇わなければならない状況になり経営者は苦悩する。しかし、ドライに市場経済的な考え方で言うならば、最少限の人材で運営するしか体力がもたない状況になり、それ以上の人材の雇入れは、経営の破綻に繋がる問題であり、大きな経営問題となってきた。

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