310.不純物の労務原価を除外する
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 08/6/25(水) 22:35:50  返信も含め全削除

<アンケートの意見に>
 専門技術者養成講座(室蘭)のアンケートに「工事現場に無駄な人間(?)、施工上必要ない人間が、どうしても過剰に居る場合があることは理解できます。工程と原価管理による利益発生のメカニズムについても良く分かります。ただ公共工事は地域の雇用の場でもあり、日本は地域の雇用をどうするつもりでしょうか・・・・。」いう意見があった。これは原価管理に対する意見であり、過剰な作業員を抱えていていることによる、コストアップになる指摘に対する意見である。これは雇用問題としての労働施策の問題と、現場の原価管理の問題が混在しているので、分けて整理することが必要である。

1.地域の雇用対策の視点
 公共事業は、広い意味で地域の雇用対策に貢献していることは言うまでもない。古い話ではあるが日本は、第二次世界大戦終了後に、失業対策事業として公共事業を実施した経緯があり、地域の雇用問題に大きく貢献している。しかし今日の建設業界の現状として、企業は雇用対策のために建設業を営んでいるのではない。建設業という産業を成功させて、結果として地域の経済に貢献することが重要なのである。無駄な人材を雇用して大赤字に陥り倒産でもすれば、地域貢献どころかマイナス効果となってしまうのである。

2.過剰な人材と厳しい原価管理
 原価管理は、最小の費用をもって最大の効果を上げる行為を言うのであるから、常に厳しい原価意識をもってその行為を進めなければ成らない。したがって、施工現場の作業環境が5人しか作業できない現場に、10人の作業員を投入しても、5人分はコストアップになるだけで、無駄な原価と言わざるを得ない。しかし、10人の作業員を雇入れている場合は、5人がどうしても遊ぶことになる。この場合、遊ぶなら本社の事務所で休憩する方が良いのである。何故なら、その現場の労務原価が、適正に把握することができるし、事務所で待機している作業員の人件費は、現場で回収できない損害としての人件費が算定できるからである。原価計算や原価管理は厳しく算定してこそ意味を持つのである。

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