314.原理原則の行動と作業標準化の重要性
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 08/7/23(水) 10:17:40  返信も含め全削除

<アンケートの意見に>
 専門技術者養成講座のアンケートに「単純な内容で理屈を覚えるには良い内容と考える。ただ現場に反映するためには多様な諸条件があり、単純ではなく、私たちも相当な努力が必要であると考える。」いう意見があった。この意見は、教材が標準的理論的な内容であるとした意見であるが、まさしく教材作成上の典型的な課題を指摘している。教材作成者としてこのように理解していただくことは有難いが、問題は現場の標準的が難しい部分を如何にすべきかである。

1.原理原則には逆らってはいけない
 研修会等で用いられる教材の内容は、原理原則に従った標準的なものとなるが、それを実務に接近する教材を作るようにすれば、多様化している現場の実情に、細部の部分で不具合な教材となることが多い。そこで多様化している実務家に共通する部分を抽出し、原理原則に即した標準的で単純化した教材を作らざるを得ないのである。現場にも原理原則通りの部分が多く、これに逆らうと大損害を受ける結果なることも注意しなければならない。実務家の中には原理原則に対して「現実は違うよ」と逆らう人がいるが、これは大きな間違いである。原理原則や法則は、個人の趣味や考えで変わるものではなく、普遍的なものである。仮に実務家が主張するように現実の事情によって変わるものであれば、それは原理原則ではない現象の部分である。共通する部分を標準化する段階で原理原則や法則が作用する部分が多数存在するが、これに対して積極的に原理原則に近づく行動が重要である。

2.標準的行動パターンの研究に効率化のヒントが
 現場技術者の中で有能であると評価される人は、標準的定型化された部分の行動は原理原則通りの行動で無駄がない。原理原則を基本として、応用する部分を研究している。特殊な作業部分で標準化できない部分を検討してみると、有能な技術者の行動は、全ての行動を部品のように細分化している。一見特殊な行動パターンも細分化してみれば、他の異質に見えた行動と同一のものが多数見つかり、特殊に見える行動も細分化した行動部品の組合せに過ぎないのである。この点を深く検討し標準化を図って作業行動の効率化を進めるべきである。

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