319.機械費計算と工程管理手法の重要性
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 08/8/27(水) 10:52:50  返信も含め全削除

<アンケートの意見に>
 専門技術者養成講座のアンケートに「建設業の工程管理は、原価管理に通じることは理解していますが、次回は機械費を入れて欲しい。」いう意見があった。これは意見というより研修内容についての要望である。構想として機械費を教材に組み込むことを検討しているが、機械費を原価管理に組み込むことは非常に難しさをあらためて感じている。

1.建設重機を自己所有した時代の課題
 かなり以前の話であるが、建設機械を自己所有していなければならない時代があった。この時代は建設機械を所有していることが、当該工事の施工能力があるかどうかを発注者が判定していたからである。今日のようにリースやレンタルのような物融システムが未整備であった時代であるから、資金がない企業は銀行から融資を受けるか、分割払いで購入する以外に方法がなかったのである。そのため建設機械の購入は、企業にとって想像以上に資金的に大きな負担となっていた。しかもその建設機械を年間フル稼動する工事量が確保されるかどうか、不安定な状況下での多額の投資は、経営を益々不安定化に追い込む結果になっていた。

2.物融時代の建設機械と原価計算の変化
 建設機械がリースやレンタルによる物融時代に入ると、原価計算の手法が大きく変わり、原価管理にも大きな影響を与える結果となった。特にレンタルについては、1日当たりのレンタル単価に施工時間を乗じて計算するため、原価計算に時間の観念が大きく入り込んできたのである。建設機械を自己所有した時代であれば、建設機械に関して発生する費用は、ガソリン等のランニングコストを除けば、年間の減価償却費として計算されるため、稼動に関係なく年間の減価償却費は固定化してしまうのである。そのため、原価管理の手法は、年間の固定費を如何に回収するかが問題であったのである。当時の原価計算や原価管理の内容は、施工時間の観念が希薄で、工程管理は納期管理が主要な目的となっていた。しかるに今日のようなレンタル全盛時代は、施工時間によって発生するレンタル料を意識しなければならないのであり、この時間管理がコストダウンを可能にする時代になったのである。原価管理に対する認識や手法を変えることが重要となった。

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