322.工程管理中心の工事管理を重視
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 08/9/18(木) 11:36:03  返信も含め全削除

<アンケートの意見に>
 専門技術者養成講座のアンケートに「ネットワーク工程表を作成するのは技術屋として当然のことで、これでは実行予算は作成できないと思います。」いう意見があった。この意見には、2つの問題点があります。1つは実行予算の重要性の認識が強すぎること。2つ目は、仮に実行予算を作成する場合であっても、工程表が確りしたものができれば、実行予算も当然確りしたものができるのである。工程表と実行予算は深く連動している認識が不足している。

1.実行予算の中身の検討
 前週に指摘したように、金額による予算作成に重要な点は、金額の特性を十分に理解しなければならないことである。金額は、単価と数量を乗じて算出される。この金額計算の方法は数量情報が基本になっている。何故なら工事量が確定すれば、使用する材料の数量も決まるし、作業員の作業時間や建設機械の施工時間も決まることになる。これらの数量が確定すれば、単価情報を乗ずれば予算金額が算出可能になるからである。原価管理について重要なことは、単価については、現場の施工努力や現場技術者の裁量で変化するものではない。市場の状況変化によって材料単価が変動するするし、作業員の賃金や建設機械のレンタル料等の単価も、市場の変化で変動するものである。現場の技術者が自分の意思や行動で変化させることが出来ないものである。したがって、単価情報は技術的な原価縮減の対象にならないものである。

2.工程管理が重視される理由
 工程表で重視される点は、数量情報で工程計画を作る点が重要である。現場の技術者が自分の裁量で原価縮減することが可能な部分は数量にあるのである。作業員が作業時間の目標に向かって計画的に作業時間を削減すれば、結果的に労務予算は縮減できるし、建設機械についても効率よい機械施工をすることによって、施工時間が短縮されればレンタル料は削減される。この施工時間の縮減が原価管理のポイントであって、この時間に単価を乗じた金額情報では、異質な情報が混在化するため、金額情報は科学的な工事管理に機能しなくなるのである。数量情報を基本にして優れた工程表が作成できれば、結果として実行予算も計算可能になるのである。金額予算はコスト縮減の道具としては機能しないのである。

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