327.工事が完成しても検定をしてくれない
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 08/10/29(水) 22:13:27  返信も含め全削除

<アンケートの意見に>
 専門技術者養成講座のアンケートに「現場で効率を上げて工期を短縮して完成しても,発注者は工期が残っているという理由で,なかなか検定してくれない。」という意見があった。この意見は施工業者が頑張って工期短縮を努力したにもかかわらず、発注者側の理由で工事の引取りを遅らせているというのである。まことに遺憾なことである。

1.工事の早期完成と発注者の引取
 工事原価は,施工時間に比例して発生する時間比例費と,施工時間に関係なく固定化して発生する費用に分けることができる。原価管理は,施工効率を上げて施工時間を短縮し,時間比例費を縮減することが原価管理である。したがって施工効率を上げて施工時間短縮することが,原価管理として重要な問題である。この施工時間短縮の努力をすれば,当然,工期が短縮されて工事が早期に完成する結果となる。施工業者としては工事が完了すれば速やかに発注者へ引き渡しを求めるが,発注者の都合で検定を遅らせることや,契約上の工期まで引き伸ばされることがよくあることであるが,これでは企業努力によって工事利益を上げる努力が台無しになってしまう。発注者は施工業者の努力にも配慮すべきである。

2.無駄な原価を回避するために
 工期が短縮されると仮設材等のレンタル料は時間の短縮に比例して軽減される。全ての時間比例費も同様に時間の節約によって軽減される。したがって工事が完成して引渡しが遅れる場合であっても,その間に現場の管理費は発生し続けるのである。また現場技術者についても,工事が早期に完成し引渡しが完了していれば,次の現場の技術者として働くことができる。つまり技術者の人件費についても、早期に工事が完了し次の現場に移動していれば,前の現場の人件費は軽減され、次の現場の負担となるのである。このようなことを施工業者が主張すれば,発注者の中には,工期短縮で原価が下るのであれば,積算原価を下げるぞという意見がある。しかし発注者は施工業者の裁量権まで口を出してはいけない。そこまで言うなら競争入札による低減した理由がなくなるではないか。企業努力を認めないのであれば予定価格で発注すべきである。

返信 ご意見やご質問をどうぞ

パスワード

一覧へ戻る】 ※最新の画面を表示するには再読み込みしてください.