344.現場経営者としての一匹狼型に限界が
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 09/3/11(水) 10:30:13  返信も含め全削除

1.一匹狼型の現場代理人の欠陥   
 現場代理人には大きな権限を与えるため、大きな責任を負わされることになる。自分で全ての責任を負う結果として一匹狼型の現場代理人が醸成される。一匹狼型の現場代理人の特色は、単独行動をする特色があり、責任感の強い面が醸成されることは成功といえるが、一匹狼型の現場代理人は必ずしも成功の部分だけではなく、欠点の部分同時荷醸成されてしまう。例えば、欠陥だらけの実行予算制度を補うために、取引先との架空の取引により裏金を用意し、予算を有効に活用するようにすることや、建材店や下請企業との予算の貸し借り、予算項目の流用等、現場代理人は実行予算をかなり独断的に運用する。そのため予算計画自体が益々形骸化する。また過大な権限には金という過大な権力が発生し、関係者が金の権力に振り回される結果となる。金という権力には人が群がり、自分で気がつかないうちに麻薬に汚染されている。このような江戸時代から続いてきた悪い生活習慣病が身につき、それが通常の仕事の手法になっている。

2.現場の施工管理が近代化しない理由
 現場の施工技術の近代化は進むのであるが、現場の経営面の近代化は一向に進まない。一匹狼の悪い面だけが目立つのである。この現場経営の近代化の遅れている原因は、一匹狼型の現場代理人に大きな原因がある。最高の能力を身につけた現場代理人であれば、今後も一匹狼型で生き抜く方法もあるかもしれない。しかし、一匹狼型の現場代理人の個人の能力限界点に達しており、従来型のままの方法では個人の能力の限界を越える方法はないのである。

3.一匹狼の特性と欠陥
 もともと一匹狼型の人材は、個人的には大きな能力を持っている。その一匹狼が結束すれば大きな力を発揮できることは間違いないが、しかし、一匹狼とは一匹で行動する特性から一匹狼というのであって、結束する力が非常に弱いのである。一匹狼の評価制度は、個人のみの能力を判定する制度のため、自分の能力を高く評価させるには、他人を低いままの状態で結束しない方が得策である。技術は教えないのが当り前で、他人に追いつかれないように常に気を使っている。これでは企業全体としての有機的な総合力が出ないのである。では企業としてどのように結束力を発揮すべきであろうか。

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