352.予算計画時に何が恐ろしさ<一部修正>
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 09/7/25(土) 09:31:58  返信も含め全削除

1.予算計画と予算管理
予算計画を立てる場合、過去の類似した実際原価から推計する方法が一般的である。過去の類似した工事の材料費、労務費、外注費、経費ごとに算出された歩掛や単価に、工事量を乗じて予算計画を立てているが、なかなか計画予算通りにはいかないものである。工事原価の中で比較的易しいものは材料費である。材料費予算はかなり実際材料費に近い価額で把握することができる。材料消費量に市場単価を乗ずれば、材料費予算を算出することができるからである。しかも品質等の手違いがない限り、材料費予算と実際材料費は大きくずれることはないからである。問題は材料費以外の原価の計画予算を適切に計算することが難しいのである。

2.労務費予算の例として
 労務費予算は、一般的に歩掛計算を用いて労務費予算を算出している。工事量100m3の仕事を例として、歩掛が5m3だとすれば、工事量100m3÷歩掛5m3=20人工となる。1人当りの賃金が10,000円だとすれば、20人工×10,000円=労務費予算200,000円となる。この工事を3案に分けて検討してみると、まずA案は、作業員1人で施工すれば工期が20日となる。次にB案は、5人で施工すれば工期が4日となり、更にC案は、作業員10人で施工すれば工期は2日となる。この場合の各案の労務費予算は幾らかといえば、全ての案とも20人工であるから、どの案の労務費予算も200,000円となり、どの案の施工計画でも良いことになる。

3.原価計算の恐ろしさ
 労務費予算は通常人工計算で算出するため、原価計算の恐ろしさに気が付かない場合が多い。確かに総人工数を算出することは原価計算の基本であり、総延作業員数を把握することは重要なことである。しかし原価計算の落とし穴が人工計算に寄り添って存在することを注意しなければならない。つまり工期の問題である。A案が20日、B案で4日、C案が2日と大幅に工期が違っている点である。工期が違えば仮設材その他の機材のレンタル料に大幅な違いが出るのである。さらに作業員という人的資源は、資源数に限界があり、理想通りにはいかないものである。(次回は外注費の恐ろしさ)

返信 ご意見やご質問をどうぞ

パスワード

一覧へ戻る】 ※最新の画面を表示するには再読み込みしてください.