353.通常の予算管理の思想とコスト縮減の誘導
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 09/7/29(水) 11:41:54  返信も含め全削除

1.一般的な予算計画と実行予算の思想
 予算管理管理をする場合、まず予算計画を立てることから始まる。予算計画はその事業の計画に対する期待される成果を想定し、その成果を達成するための行動を予算化したものである。予算計画が確定すれば、その設定目標を達成するために、予算を有効に使い切ることが重要である。そのため予算計画は限定された資金を有効に消化するという意味合いがある。そのため通常の予算計画は予算を余すことは想定していないのである。これに対して実行予算における予算計画は、原価管理が目的でありコスト縮減が狙いであるから、適切な品質を確保することを前提に、予算を余すことは一向にかまわないし、できれば予算は余れば余るほど良いことを想定したものである。つまり実行予算による原価管理の狙いから予算を余すことを想定したものである。この点で一般的な予算管理の思想と実行予算の思想は類似点も多いが、行動や思想に大きな違いがあることが分かる。しかし予算管理の悪い面である。予算は使い切るという思想の悪い面の影響がでることが多い。

2.実行予算の狙いとそのズレ
 予算管理に対する一般的な行動計画は、先行投資型の未来志向の思想が強く作用するものである。そのため近未来の将来に成果が発現するものが多いため、先行投資型の思想で行われている。これに対して実行予算による行動は、未来志向型ではなく、現在進行形の現状の施工行動の実際原価と実行予算の対比をすることが目的である。そのため予算策定時の実行予算の計画内容は、将来発生する実際原価をできるだけ正確に予測することを目的としている。したがって、実行予算の策定思想は、コスト縮減に機能するという思想ではなく、実際に発生する原価の予想表になるのである。したがって実行予算がコスト縮減に機能するものでないことは、予算策定時の思想にも問題があるし、本質的には予算管理でコストの縮減を誘導できるものではないことを認識すべきである。コストの縮減は、コスト縮減の行動によってのみ可能であって予算計画で誘導できるものではないのである。

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